不動産業界に興味はあるものの、未経験でもできるのか、必要な資格は何かあるのか、などの不安があるのではないでしょうか。 このサイトは自分含め不動産業界を知るために作成しました。業界のイメージを探ったり、転職事情はどうなっているのかをリビンマッチを参考にしたりしてますので、少しでも参考になれたら嬉しいです。

不動産業者のイメージとその実態

不動産イメージ

不動産業界、と聞いて、まずどのようなイメージが浮かぶでしょうか。
「リビンマッチ」の調査によると、上位から、「強引」、「しつこい」、「地域に詳しい」「高収入」「口が達者」「怖い」「知識が豊富」「コミュニケーション能力が高い」「多忙」「気配り上手」というイメージがあるようです。他にも、「体育会系」「ノルマやサービス残業がある」「軽くてしたたか」などのイメージもあります。 ここで、男女別に見てみると、男性よりも女性の方が良いイメージを持っているようで、「高収入」「知識が豊富」「コミュニケーション能力が高い」「イケメン(美人)が多い」などのイメージが多いようです。

では、実態はどうなのでしょうか?

まず、よく聞く「しつこい」や「強引」と言われる理由は何故なのでしょうか。 その理由として、様々な物件をお客様に紹介しても、決まらなかった場合、そのお客様は別の不動産会社に探しに行ってしまう、というのは当然の流れです。そのため、お客様を保守したいために、少し強引になってしまうようです。また、お客様を集めるための広告費があるため、お客様を得られなければ反対に、利益が減ってしまうということもあります。 このように見ると、目標が厳しいように思えますが、裏を返せば、お客様一人ひとりに向き合うことが結果に繋がる、というやりがいのある仕事でもあります。

また、不動産業界は法律で決められていることも多いため、「軽くてしたたか」というイメージからは外れると思います。例えば、手数料は、売買価格の3%+6%万円が仲介によって不動産業者が得られる上限と定められています。もし上限金額を超えてお客様に請求した場合は、最悪の場合は免許取り消しになってしまいます。加えて、宣伝に使う言葉についても、法律によって制限されています。あまりに誇張された表現などは、「景表法」という法律に違反していると見なされてしまいます。そのため、明確な根拠、客観的な事実によるものであることを証明できるかどうかを調べる必要があります。このように、法に則った行いを必要とされる業界でもあります。

「リビンマッチ」では他に、「不動産業者とのやり取りで良かったこと」「悪かったこと」の調査をしています。
まず、良かったと思ったことがあったのは約半数の人で、その詳細としては、「対応が良かった」「優良物件を紹介してくれた」「契約後の気遣いがある(アフターフォローがある)」「お金のことなど色々とアドバイスしてくれた」などがありました。特に、「対応が良かった」という点においては高い支持が得られていました。ほとんどの人が、担当者の対応によって印象の良し悪しを決めていたことから、顧客満足度に直結することが分かります。

こちらも男女別に見てみると、男性からは「家賃の交渉」や「手数料の値引き」など、値段の交渉において支持を得ていて、女性からは、「契約後の気遣い」や「引っ越しなどの手配までしてくれた」といった一工夫が支持を得ていました。

反対に、これは嫌だなと思った行為があったかについても、半数の人が感じているようです。その内訳において、「対応が悪かった」ことがワースト1位であることからも、いかにお客様への対応が重要であるかが分かります。他に、「事前に悪い部分を伝えてくれなかった」「思っていた以上に不動産売却価格が安かった」「売却活動に不満を感じた」「おとり広告物件だった」「売却物件を囲い込みされた」などといった、予想と異なる事態に不満や不安を感じた方も多くいたようです。

これから不動産業界に転職するのであれば、このように思われないようにしたいですね。

不動産業界にはどんな職種があるのか?

不動産業界と一言でいっても、様々な職種があります。

○営業
不動産業界、というとやはり一番に思い浮かぶだろうと思います。実際、人数も最も多い職種です。その中でも細かく分かれていて、マンションなどの販売営業、売買仲介、賃貸仲介、法人営業などの様々なものがあります。また、新入社員の大半は最初、営業職になることが多いです。 国家資格の「宅地建物取引士」を取得していると、資格手当で給与が上がるなど、優遇されることがあります。資格については、後ほど「どんな専門資格があるのか?」で詳しく記述していきます。

○企画・開発
企画と開発は、土地を仕入れ、どのような建物を建てるかを企画し、プロジェクトを推進、施工、引き渡し、という一連の作業を行います。 金融機関や不動産流通会社から情報を収集してから、どんな建物を建てるべきかを検討します。様々な施設を検討した後、土地を交渉し、まとまった場合には、設計図の作成や建設などを他に委託することで、実際に建物が完成するのです。
また、開発を専門的に行う企業はデベロッパーと呼ばれていて、収入源を、建物の売却や、建物の利用によるテナント料から得ています。

○管理
不動産の持ち主だけで、ビルやマンションの維持管理、トラブル対応、賃料回収、テナントの誘致、修繕工事を行うのは難しいものです。それを代わりに行うのが、不動産管理会社です。大手の場合、グループで専業の管理会社を持っていることもあります。

ここからは、どの業界にも共通している職種なので、前職で経験したことがある場合は、その経験を活かすことができるでしょう。

○経営企画

業績を取りまとめて経営資源を配分したり、予算の決定をしたり、経営戦略や事業戦略の企画・立案・遂行を行います。

○人事

採用計画を立て、それにそって新卒や中卒者、転職者を採用、人事制度を定めて実行し、人材の育成などを行います。

○総務

庶務や法務、経営管理などといった、多岐にわたる一般事務を担います。

○経理財務

企業の資金調達、財務計画の立案・実行、資金の管理の他、投資なども行います。

このように様々な職種があることが分かりましたが、自分に合う企業・職種を探すとなると、どうしても自分自身で探すのは難しいことと思います。そこで、不動産の比較サイト「リビンマッチ」を利用することをおすすめします。
リビンマッチでは不動産の比較の他に、人材紹介も行っています。
人材紹介は他のサイトにもある、というように思ってしまいますが、不動産を専門的に扱っている「リビンマッチ」からの紹介のため、ここだけの求人案件や、選考回数を減らして案内することができるなど、さまざまなメリットを受けることができます。
不動産業界へ興味を持ったのであれば、「リビンマッチ」を一度利用してみることがおすすめです。

必要なスキルや知識

さて、どのような職種があるかは理解いただけたでしょうか。では、実際に転職する場合、そのようなスキル、知識が必要となるのでしょうか。 先に、人数が最も多い職種ということから、営業職一般に必要とされるスキルを見ていきましょう。

○営業職一般として必要とされるスキル

まず必要とされるスキルとして「課題発見力」が挙げられます。「課題発見力」とは、現在の状況を把握、分析し、問題や課題を発見する力のことです。このスキルがあることで、客観的に物事を捉えることができ、問題意識を持って取り組むことができます。それを活かし、お客様にとっての課題を発見できれば、商談に繋げることができるでしょう。

次に、「ヒアリング力」が挙げられます。これは「傾聴力」とも言われ、相手の話を丁寧に聴き、理解するという力です。しかし、ただ話を聞くことだけなら誰でもできるものです。ここでいう「聴く」とは、お客様の求めていることを理解することを指します。 他にも、「対人コミュニケーション力」や「情報収集力」なども挙げられます。しかし、あくまで必要とされるスキルであるため、身につけることができれば周囲と差を付けられるスキル、と考えてもらえると良いです。

これらを踏まえて、不動産業界に必要なスキル、知識を紹介させて頂きます。

○不動産・不動産管理の知識
不動産の管理業務は幅広いため、その分不動産に関しての知識が必要になってきます。先にも記述したように、ビルやマンションの維持管理、修繕工事を行うのはもちろんのこと、市場調査によって適切な賃料を査定したり、賃料の回収、レポートを作成したり、入居者のクレームやトラブルの対応などを行わなければならないため、知識も幅広く必要になってくることでしょう。

ここで、グループ会社などで、部署ごとに分かれているのであれば、その専業での必要な知識やスキルだけを深めるだけで良いのでは?と思った方もいるのではないでしょうか。しかし、自分の専業外だから、クレームやトラブルの対応はできない、というのはお客様には通用しません。お客様にとっては、不動産管理会社の人であるならば、管理について知らないことはないはずだ、というイメージがあるためです。そのため、例え担当外であっても、知っておくと良いでしょう。

また、同じ業界からの転職であれば、土地やマンションなど、仕入先との繋がりを持っていると重宝されます。

○プロジェクトマネジメントスキル

言い換えれば、「行動立案力」と「実践行動力」といったところでしょうか。修繕やリフォームなどを行うに際して、スケジュール管理は欠かすわけにいかない、重要なものです。工事のスケジュール管理だけでなく、入居者の管理、調整など、人の管理も請け負わなければならないので、相手に納得してもらえるような交渉力と、工事のプロジェクト管理が必要となります。

他にも、入居募集や反対に退去の立ち合いなども行わなければならないため、プロジェクトマネジメントスキルは重要になります。

○コミュニケーション能力

どの業界でも欠かすことができないものではありますが、特に重要になってくるのではないかと思います。というのも、お客様はもちろん、不動産のオーナーや、建設会社とのやり取りなどもあるためです。

クレームの対応などにおいては、ただ不具合に対して対応するのではなく、どのような不満を抱いているかを、コミュニケーションを取ることで知り、適した対応をすることで不満を軽減させたり、納得させたりする力が必要になってきます。

不動産のオーナーとは、「信頼構築力」が重要になってきます。というのも、管理会社にとっては、物件の管理を任されている、という認識でしかないかもしれませんが、オーナーにとっては、それこそ資産を任せているので、信頼関係が重要になってきます。そのためにも、空室状況や、その対策と取り組み、メンテナンスの状況などを報告し、コミュニケーションを取ることで、信頼を構築していきましょう。

どんな専門資格があるのか?

さて、先ほど職種を紹介する際、国家資格の「宅地建物取引士」を取得していると、資格手当で給与が上がるなど、優遇されることがあります、と記述しましたが、他にも、様々な資格があるので、ご紹介していきます。

○宅地建物取引士

すでに不動産業界について調べている方は、何度も目にした資格ではないでしょうか。
「宅建」や「宅建士」と略されることもあり、国家資格に区分されます。
宅建士は、土地や建物の不動産取引を行う時に、法律上での制限や権利、契約条件などの「重要事項」を説明する役割を持っています。また、顧客に説明を行った際、契約書に記名押印することも義務付けられています。

これは、お客様のほとんどは不動産への知識や売買経験が無いがために、不当な契約を結んでしまうことがないようにするためです。

このように宅建士は大事な任務を担っていますが、従事している人すべてが宅建士というわけではありません。宅地建物取引業者は、5人に1人以上は専任の宅建氏でなければならない、と定められています。つまり、5人に4人は宅建士でなくても営業ができるのです。 このため、人気の高い資格のうちの一つになっていますが、合格率は15~17%ぐらいとなっているようです。

○マンション管理士

マンション管理士は、上記の宅地建物取引士と一緒に取得する方が多いようです。こちらも国家資格です。マンション管理士は、管理組合の運営やマンションの管理をするうえで、管理組合の管理者や入居者からの相談に応じて、助言や指導をするなど、アドバイザーの役割を担っています。他にも、メンテナンス業務を行ったり、建物の修繕計画の作成なども行います。

ここで、マンション管理士は「名称独占資格」であるため、資格を持たない者が名刺や看板などで、紛らわしい名称を使った場合には、罰金を支払わなければならないため、気を付けなければいけません。ただし、業務の内容自体は独占業務ではないので、助言や指導などをするのに資格は必要ありません。

○管理業務主任者
こちらも国家資格に区分されます。先ほどの「マンション管理士」の文章にも出てきた「管理組合」という組織は、マンションには必ずあります。マンションを購入した場合は、区分所得法によって組合に入ることを義務付けられています。

その管理組合は、マンション管理業者に管理委託契約していることがほとんどです。管理業務主任者は、マンション管理業者が管理組合に対して管理報告や重要な説明をする際に、必要となってくる資格です。宅建よりも合格率が緩やかなことから、始めて不動産関係の試験を受ける人にはおすすめです。

他にも、不動産鑑定士や、ファイナンシャルプランナー、インテリアコーディネーターなどといった資格もあります。
業界内転職においても資格は重要となってきますので、目標がはっきりしているのであれば、その目標に合った資格を取得するようにしましょう。

リビンマッチとは?

最後に、文章中に紹介していた「リビンマッチ」とはどんなサイトなのかをご紹介します。 リビンマッチとは、不動産の売却と買収、賃貸の管理、土地の活用、リノベーション、注文住宅といったサービスを幅広く提供している、不動産サービスと価格比較のポータルサイトです。他にも、不動産業界のビジネスマン、ユーザー向けの情報サイト「リビンマッチ不動産求人情報」「リビンマッチMagaZine Biz」などを無料で提供しています。

また、リビンマッチは、大手から地元密着型までの幅広い会社と連携しています。10年以上の営業実績があり、連携会社も全国で1,400社以上になり、今も連携が増加しているため、国内最大級の不動産価格比較サイトと言えます。もっとも大きな特徴として、プライバシーマーク認定企業であるため、個人情報だけでなく、物件情報に対しても安心感を持つことができます。

不動産の売却においても、リビンマッチは活躍します。不動産会社ごとに査定価格や提案内容は異なる場合が多いため、高額売却するには複数の会社で比較することができるのが理想です。そこで、リビンマッチ不動産売却に物件情報を入力するだけで、複数の会社に一括で査定の依頼をすることができます。

また、賃貸管理会社や、不動産買収、土地活用、注文住宅、リノベーションなども同様に、複数の管理会社に一括資料請求できるため、比較するのに非常に便利です。 不動産業界に転職した際には、リビンマッチの、不動産営業向けコラムがきっと役に立つことと思います。

不動産営業の種類

不動産業界の仕事として、一番イメージしやすいのが営業だと思います。
一般人が不動産に関わる場合は顧客になりますから、その際についてくれるのは営業の方だからでしょう。

しかし、一口に不動産営業といっても扱う領域によって仕事内容は大きく違うようです。
一括りにされてしまいがちな不動産営業について、リビンマッチサイトからの情報も参考にしたものをその種類別にご紹介したいと思います。

不動産営業の種類

■賃貸営業

賃貸マンションやアパート、賃貸戸建て、店舗、オフィスの賃貸営業を行う不動産会社はもっとも数多く存在します。
街で見かける不動産会社の多くは賃貸営業を主とする会社です。
賃貸は、住宅やテナントを借りたい人に物件を紹介する「客付け」と呼ばれる営業と、大家から物件を預かって管理する「管理業」に分類されます。

客付けの中でも居住用不動産と、オフィスや店舗などといった事業用不動産の営業でも大きく違います。
居住用不動産の賃貸営業は、店舗への来客は予約なし、2~3月の引っ越しシーズンとなる繁忙期にはかなり忙しくなるなどの特徴があります。

居住用不動産売買の場合には、予約なしでの来店は少なく、繁忙期の偏りも大きくありません。

管理業は不動産業の中でもっとも安定したビジネスといえます。
賃料の5%ほどの金額で、入居者トラブルへの対応や、賃貸更新、入居者募集などを行います。
更新が行われた場合や新しく入居が決まった場合には、オーナーから別途費用をいただきます。

■居住用不動産売買営業

居住用不動産売買営業は、家を売買する仕事です。
居住用不動産の営業において重要なのは「物上げ(ぶつあげ)」と呼ばれる売却物件の依頼、つまり「売主」の依頼を受ける営業です。
不動産売買においては「売主側の不動産会社」と「買主側の不動産会社」がそれぞれ顧客のエージェントとして実務を行います。

このうち「売主側の不動産会社」は、うまく売主を獲得できればほぼ確実に売上をあげることができます。
ですから売主の争奪戦は激しいものとなります。
もちろん家を買う方である、買主への営業も大切な仕事です。
要望をしっかりとヒアリングし、物件の提案から案内、契約締結、引き渡しまでを一貫してサポートします。

また、ディベロッパーが売主となる新築のマンションや新築戸建てを販売する営業もあります。
新築マンションの販売の場合、マンションの販売業務を行える不動産会社は限られています。

個人が売主となる中古マンションを販売する場合は、不動産会社どうしが情報交換しなければならないという法律があり、どの不動産会社であっても売りに出ている中古マンションは基本的に顧客に紹介できます。

その一方で、新築マンションの場合は売主が法人であるディベロッパーです。
ディベロッパーとは企業ですので、販売委託契約を結んだ販売会社だけが独占して販売できます。

■投資用不動産売買営業

不動産営業のなかでも最もシビアなのが、新築マンションなどの投資用不動産販売になります。
投資用不動産とは、マンション購入者がその部屋を賃貸に出して、入居者から家賃収入を得るという投資の商品となります。

ワンルームなどの投資用マンションの販売は、電話セールスや飛び込み営業があり、非常にシビアで厳しい営業となります。
しかし投資用マンションは、通常は自社で開発した物件の販売をしますので、営業は厳しくともその分売れた際には会社として利幅が大きいという特徴があります。

また各部屋ではなくアパート一棟や商業ビル一棟などの売買を行う一棟物の売買もあります。
一棟物の売買では、プロの不動産投資家に対して営業を行います。
上述のワンルーム投資では、サラリーマンが節税や老後のために不動産を購入することが多いのですが、一棟物では買主も大家を行うプロが多くなります。

一棟物の売買では商品の利回りや流動性が重要になりますので、物件情報が水面下でやりとりされています。
それゆえに、良い物件情報を掴んでいることが営業マンの生命線になりますので、他の不動産業者とのコネクションが多いことが必須となります。

■不動産買い取り・用地仕入れ営業

不動産を売るのではなく買う営業も存在します。
不動産を仕入れる方法として、他の不動産仲介会社から買ったり、自社で売主を探し出して買ったりします。
情報を集めることがカギとなりますので、日々多くの不動産仲介会社に顔を出し、物件の情報収集を行い、ネットワークを築き上げていくことが仕事になります。

買い取り・仕入れの「買う」という営業ですが、売るよりもハードな営業といわれています。
仕入れを行って利益を出すためには市場値の6~7割くらいの価格で買い取る必要があるため、千個のうち三つしかない「千三つ」といわれるほど難しい仕事であり、ひたすら物件情報を集める必要があります。

■地上げ営業
開発事業において住民のいる土地を取得するため、地上げを行う営業のことです。
地上げというとバブルの時代の「地上げ屋」が浸透してイメージが悪いですが、実際の地上げ対象の地域に住む権利者に対して丁寧に交渉を行い、立ち退きをしてもらってから不動産を買い取ります。

土地が大きくなると、大規模な不動産開発事業ができますが、一方でどうしても立ち退きが必要となる区画も出てきますので、地上げ営業には非常にタフな交渉力と精神力が必要です。

ゼネコンとは その2

今回も、不動産と関わりの深いゼネコンという会社についてご紹介していきたいと思います。
前回ゼネコンについて、その定義や業務内容についてご紹介いたしました。
おさらいとして、ゼネコンは建築で多くの協力会社をまとめあげるリーダーとして、社内に設計・施工・研究という3部門を有している、ということはすでに述べました。

詳しくは前回のゼネコンとは その1をお読みください。
その3つの部門、設計・施工・研究がゼネコンに必要とされるには理由があります。

総合建設業者である理由

前回ご紹介したゼネコンの実務内容について、例として挙げたマンション建築を請け負う流れからも分かりますが、ゼネコンにはディベロッパーの窓口となる役割があります。

そのため、設計だけができたり施工のみ行えるということでは、ディベロッパーと総合的な協議をすることができません。
見積もりを出す際に、ゼネコンに設計部門がなければ、ディベロッパーの要望に応えることができません。
仕様や品質の協議をする際には、設計部門と実際に施工する経験、ノウハウがないとディベロッパーに提案することができません。
そして、設計・施工で得たノウハウを活かして、どうやって品質を保ちつつコストダウンを実現するかという研究も行っていく必要があります。

売り上げが多く、体力のあるゼネコンが研究を怠ると、大きな意味では日本の建築技術の衰退につながってしまうのです。
また、着工後に図面が変わることもよくあり、その他資材などの多くの細かい変更も頻発します。
仮にゼネコンに設計・施工・研究の部門のどれか一つでも欠けていたら、そのような変更に柔軟に対応することができなくなってしまうのです。このような理由から、リーダーシップをとることになるゼネコンには設計・施工・研究の3部門が必要となります。

・ゼネコンと入札
ここで話は少し変わりますが、皆さんはゼネコンという言葉から連想できることはないでしょうか。ゼネコンとセットとなる言葉といえば「入札」があります。

入札とは、ゼネコンが仕事を請け負うときに、金額を記載した札を入札して、企業が仕事を獲得することです。
通常の入札は競争入札と呼ばれるもので、各社が「工事金額」を競って入札することです。
ただし、ゼネコンを選定する基準には「工事金額」以外にもあり、工事概要、工事期間、工事の質なども示し、基準を満たす必要があります。

ですから事業計画書を簡易的に作成して、あらかじめ工事の発注主に提出しておき、そのうえで工事価格を導き出して、金額を書いた札を入
札箱に入れます。

発注者側は、すべての企業の入札が終わると札を確認します。
ゼネコンの選定基準としては「最も工事見積額が安い企業」と「工事予定価格に一番近い企業」の2つがあり、いずれか一方の基準でゼネコンが選定されます。

「最も工事見積額が安い企業」だけではなく、「工事予定価格に一番近い企業」という基準があるのは工事の品質を確保するためです。
極端に安い金額だと工事の質にリスクが生じますので、その点を注意して事業計画書を考慮し、そのうえでゼネコンを選定します。
ゼネコンは、ディベロッパーから仕事を依頼されるほか、こういった入札という形でも仕事を獲得します。

ここで入札の際に問題となる談合についても少し触れておきましょう。
ニュースなどでよく耳にするのは、「ゼネコン」「入札」ときたら次は「談合」です。
談合という言葉自体は「話し合い」という意味ですが、ここで使われる談合はいわゆる悪だくみの話し合いです。

競争入札をする理由というのは少しでも工事価格を抑えることであり、価格の高騰を防ぐことが目的です。
公共事業であれば、税金使うためなおさら工事費用を抑えなければなりません。
しかし談合で話し合われるのは、競争するはずのゼネコンと発注業者側が、事前に裏で入札価格と落札価格を決めておくことです。
仕組みとしては、入札したゼネコンには十分に利益が出るようにして、その中から発注者にキックバックが渡されるという形です。

スーパーゼネコンと大手・中堅ゼネコン
明確な定義があるわけではありませんが、ゼネコンは売上高によって3種類に分かれます。

それがスーパーゼネコンと大手ゼネコン、そして準大手(中堅)ゼネコンと呼ばれるものです。
ゼネコンで売上高が年間1兆円を超える企業をスーパーゼネコンといい、トップ5を独占している会社をいいます。
スーパーゼネコンは「大林組」「鹿島建設」「清水建設」「大成建設」「竹中工務店」の5社です。
この5社は日本の不動のスーパーゼネコンとして知られており、5位と6位の差は5,000億円近くも開きがあります。

大手ゼネコンはスーパーゼネコンに準ずる規模のゼネコンで、目安としては年間売上高3,000億円以上となっています。
場合によって3,000億円以上を準大手、4,000億円以上を大手と分けることもあります。

スーパーゼネコンほどではありませんが、大手・準大手ゼネコンも有名な大企業であり、超高層タワーマンションや複合ビル、商業施設を手掛け、それ以外にもダムや発電所、公共事業など多くの不動産を建築しています。

・サブコンとは
ゼネコンと対比して語られる言葉に「サブコン」があります。
サブコンとは、ゼネコンの下請けとして実際の土木・建築工事を請け負う建設業者のことを指します。

ゼネコンがリーダーであれば、サブコンはゼネコンの指示に従うメンバーという感じになります。
サブコンにはさまざまな専門業者や協力会社がいて、ゼネコンはサブコンそれぞれに仕事を振り分けます。
サブコンの進捗管理や調整をするのがゼネコンの仕事です。

サブコンは多くの種類があり、とび職や大工などのいわゆる職人を擁する企業であったり、電気設備や空調設備の建設を専門にしている企業などさまざまです。

また、大工といっても木造大工もいれば、型枠大工と呼ばれる鉄筋コンクリートや床・壁などをつくる大工もいますし、とび職であれば工事現場の足場をつくる職人もいれば、鉄骨を組み上げる職人もいます。
他にも電気設備だったり、水道の配管、機械設備の専門家も集まりますし、家具や金物、フローリングや塗装、タイルなどそれぞれの箇所にそれぞれの専門家がいます。

これらすべてがサブコンの企業ですから、ゼネコンがいかに多くの企業や人々と一緒に仕事をするかが分かります。
そしてゼネコンはサブコンを束ねる立場ですから、ゼネコンの現場監督には多くの知識が求められます。

サブコンにも現場監督がいて、自分が管轄する場所の施工管理を行います。
ゼネコンの現場監督の下でサブコンをまとめ上げ、リーダーであるゼネコンの現場監督を支える役割を担います。
建設現場での1日の流れとしては、大抵の場合ゼネコンとサブコンの全社員・全職人が集まって朝礼を行ってスタートです。

朝礼後、サブコン各社で集まり現場監督を中心に打ち合わせをして、進捗確認や安全確認、指示出しをします。
ゼネコン直下のサブコンであれば、ゼネコンの現場監督がその役割を担うこともあります。

また、ゼネコンの現場監督は1人1物件が原則で、それ以上になる余裕もありません。
それほどゼネコンの現場監督というのは現場のすべてをカバーするため大変なのですが、サブコンの現場監督は1人で複数物件を担当するケースもよくあります。

サブコンの管轄する場所は限定されていますので、サブコンの現場監督が他の現場に出て不在ということもあるのです。
その際の進捗管理はゼネコンの社員が行うこともあり、このようにゼネコンとサブコンは密接な関わりを持っています。
ゼネコンとサブコンが力を合わせることで、不動産を完成させているのです。

ゼネコンについてのご紹介は以上になります。
ニュースや新聞では当たり前のように使われるこのゼネコンという言葉ですが、案外知らないことも多かったのではないでしょうか。
2回にわたって説明して参りましたが、今回はゼネコンまわりの入札や協力会社との連携も含めて紹介してきました。
不動産と関わりの深いゼネコンについて知っておくことは大いに役立つと思います。

ゼネコンとは その1

以前、不動産会社であるディベロッパーという企業についてご紹介した際に、ゼネコンについても軽く触れました。
ディベロッパーとも多く仕事をする機会のあるゼネコンについては、ニュースや新聞などで目にすることも多いかと思われます。
今回は不動産を実際につくる側であるゼネコンについて、一体どういう会社なのかご紹介したいと思います。

ゼネコンとは

ゼネコンとは総合建設業者のことであり、ビルやマンション、その他の施設を含め建物を建てる会社をまとめて呼びます。
「大林組」や「清水建設」、「鹿島建設」などの大企業が、ゼネコンと呼ばれる企業に含まれています。
ゼネコンは、総合建設業者とは呼びつつも、自分の会社で建設のすべてを行うという訳ではありません。
自社で行うというよりは、元請け業者として施工全体を管理するという役割になり、建築の実務を担当する土木・建築関係の会社をすべてゼネコンが統括することになります。

ある不動産を建設する際にゼネコンが主導して、その他の協力会社に指示を出すようなイメージです。
そのためGeneral(総合的・全体的) Contractor(請負業者)、ゼネラル・コントラクターと呼ばれ、ゼネコンと略されるようになりました。

ゼネコンの定義

このゼネコンという言葉について、明確な定義はありません。
しかし一般的には、ひとつの会社で「設計」「施工」「研究」を行っているかということが、ゼネコンかどうかを分けるポイントとされます。

もちろん大前提として売り上げが高く、なおかつこの設計・施工・研究を自社内ですべて行う会社をゼネコンと呼びます。
この設計・施工・研究は、それぞれ完全に独立した機能をもった部門ですので、これを全部持った会社は基本的に大きく資金力のある会社でないとできません。

また、ゼネコンがこの設計・施工・研究を管理していないと、リーダーとして土木関係の会社を率いるという役割を担うことができません。
では、このゼネコンの条件、設計については文字通りですから省くとして、残りの2つ施工・研究について考えてみましょう。

1.施工について
まず施工とは具体的にはどういったことか、ゼネコンが施工時に担う役割について説明します。
まずは、現場の安全管理です。
下請け業者の人たちの業務が安全に行われるように、建築現場の通路確保や労働時間の管理などを徹底的に行います。

建築工程をしっかりと管理することも重要な仕事です。
不動産を建築する際には、土台作りから生コンクリートの注入、鉄筋の枠組みなど、多数の段階を踏んでいきます。
その段階はそれぞれスケジュールが決まっているのですが、下請けはひとつの業者だけではなく、複数の業者が協力し合って請け負っています。

そのため、集まった複数の業者の進捗状況を一括で管理し、建築工程に遅延がないかを監督するのもゼネコンの役割となります。
この建築工程の管理は、ゼネコンのもっとも重要かつ難しい仕事となります。
建築途中で計画が変更・修正されることは実際によく起こります。
図面が根本的に変わるほどの大変更はまれですが、資材の種類や仕様の軽微な変更は良くあります。
工程の管理でこれらの変更にも対応しなければなりません。

また、職人の数の調整などの人件費の管理も必要です。
こういった資材費用や人件費など、建築に関わるすべての原価を管理するのもゼネコンの役割となります。

建物の品質管理も重要な仕事です。
不動産の建築には「青図」と呼ばれる詳細な図面があり、非常に細かく記載されていて、各部材や資材メーカーまで細かく決まっています。
ゼネコンは、その詳細まで設計図どおりに進捗しているかを管理しなければならず、この品質管理が徹底されないと仕様どおりの建物とはなりません。

2.研究について
建設業者の研究とは何でしょうか。
ここでいう研究とは、たとえば「コンクリートの技術研究」というようなものです。
ゼネコンがこのようにわざわざお金をかけて技術研究をするという理由は、ひとえに建築にかかる費用を抑えてかつ高品質の不動産をつくるためといえます。

コンクリートの技術研究でいうと、耐震性や施工の合理化を追求していくという感じです。
仮説を立てて検証し、実験を重ねていくことで、より頑丈で費用を抑えたコンクリートを作り出す方法を日々研究していきます。

一方、工務店や建設会社はこの3つの機能すべてを持っているわけではなく、ゼネコンに比べると規模も小さくなります。
工務店であれば、基本は一戸建ての建築が専門で、設計・施工は行いますが、研究はしません。
建設会社も同様に設計・施工までであり、まれに研究を行っている会社もありますが、ゼネコンと比べると研究の規模は小さいものとなり、売り上げも少なくなります。

3.実務内容
ゼネコンが民間の企業から仕事を請け負う際には、不動産ディベロッパーから依頼を受けることが多くあります。
たとえば、マンションを建築するときの流れを例に説明しますと、まずディベロッパーがマンションを建築する土地を探し出し、その土地の所有者、もしくは仲介会社にアプローチします。

ディベロッパーは、その土地にどういうマンションを建築できるかの仮となる設計図を、ゼネコンを経由して設計事務所に依頼します。
仮の設計図をもとにマンションの「規模」を把握することで、ディベロッパーはそのマンションの売り上げを算出します。
その売り上げから大体の収支が合い、検討の価値ありと判断できれば、ここで初めてゼネコンに見積もりを依頼することになります。

ゼネコンが直接ディベロッパーと関わるのはこの段階からとなります。
ゼネコンは、資材や人件費などの不確定要素がありますので、あくまで「簡易的」な見積もりをディベロッパーに出します。
ディベロッパーは売上、建築費、販売経費、利益を総合して計算したうえで、土地の購入資金を算出し、その金額で土地所有者が合意したら土地を取得します。

一方のゼネコンは、見積もりを出してからはディベロッパーと交渉を重ねていくことが多く、土地の取得が現実味を帯びてくるほど細かい調整が密になっていきます。

ゼネコンがディベロッパーに見積もりを出しても、ディベロッパーが実際に土地を取得してから建築の申請をするまでに時間がかかるため、実際の工事に着工するまでには数か月かかります。
見積もりから着工までの期間はどうしても空いてしまいますので、見積もりの段階では資材の価格も人件費もどの程度になるか分かりません。

ですから、見積もりから着工までの間で見積もり額が変わってしまうことは良くあります。
ディベロッパーにもよりますが、通常は着工直前に正式な見積もり額を再度出し、その金額で契約することになります。

こういった理由から、ディベロッパー側からすると、もし見積もり金額が大きく変わってしまった場合には収益が圧迫され、ときには赤字となる危険もあります。
そのため、少しでも価格を抑えるため、外壁や共用施設、外部廊下や各戸の専有部分の「仕様」について、ゼネコンと詰めていきます。
あくまで建物の耐震や構造についてではなく、品質についての話が多く、品質をどれだけ落とせるか協議していくことで対応していきます。

今回は、不動産と深い関わりのあるゼネコンという会社について、その定義や業務内容についてご紹介いたしました。
次回も引き続きゼネコンについて、今度はオリンピックニュースなどでも見かける「入札」に関してや、ゼネコンの序列についてご紹介したいと思います。

ディベロッパーとは その2

前回では、ディベロッパーという会社についてと、その仕事内容についてご紹介しました。
ディベロッパーとは土地や街を開発することを主な業務としている不動産会社のことをいい、その業務内容は幅広いものとなります。
多くの開発事業はさまざまな事業者と協力して行いますが、事業を主導していく企業がディベロッパーとなります。
また、ディベロッパーは基本的にゼネコンのクライアントとなりますが、大手ゼネコンと組んで共同事業者として土地を開発することもあります。

社員の仕事内容としては用地仕入れから建築監理、マーケティングに業務、販売まで多岐にわたっており、土地の情報収集から購入、建てる不動産の収益性からデザインの立案、建築物の監理と販売、そして売った後の手続きなど、開発事業の最初から最後まで一貫して責任を持ちます。

以上が前回の内容の要約となります。
詳しくはディベロッパーとはその1をご覧ください。

前回はディベロッパーの基本的な業務の流れの説明でしたが、実際の開発事業ではその種類によってさまざまな仕事内容があります。
今回は、ディベロッパーが行っている具体的な事業例を通じて、どのような仕事内容かをご紹介していきたいと思います。

街の再開発事業

街の再開発事業とは、インフラや住宅、商業施設などその街の中心となる建築物を建造することで、新たに街づくりをする事業のことをいいます。

街の再開発をする際には、その街の象徴となる大規模な建物を建てることが多く、たとえば池袋の区役所一体型マンションや、渋谷のヒカリエなどが有名です。
そのようなシンボルとなる大型建築物を中心に、インフラの整備、周辺住宅の開発、そして周辺商業施設の開発を行っていきます。

街の再開発に不可欠なのが、インフラ整備です。
具体的には道路を拡げたり、歩道を整備したり、線路を地下に移動させたりといった、その街の交通の利便性や、景観をアップさせることを目的とした整備を行います。

たとえば、京王線は調布駅あたりで地下化する工事が行われ、調布駅を含むいくつかの駅が新しくされています。
また虎ノ門開発を例にとると、まずシンボルの「虎ノ門ヒルズ」ができあがり、そこに続く環状二号線が新橋から開通されて、豊洲市場までつながっていきます。

ただ、インフラ整備は道路や線路など「国土」にかかわってくる開発であり、そのため当初の計画とは変更になったり中止になったりする場合もあります。

インフラ整備に関しては、道路や公共施設などが関係してくることになり、大きな再開発については国が主導する公的ディベロッパーが中心になることが多くなります。
民間のディベロッパーは、国の公的ディベロッパーの下で協力会社として参加するパターンが多く、公的ディベロッパーの指導のもと、ゼネコンと共に建築監理をすることになります。

街の再開発事業においては、インフラ整備と同時に周辺住宅の新築工事をすることも少なくありません。
湾岸エリアの豊洲では「ららぽーと豊洲」という大型商業施設を中心に、ディベロッパーがその周辺において新築分譲マンションの開発を進めていきました。

こういった街の再開発に伴う住宅開発は、一般の住宅開発よりも難易度が高く、大変なものとなります。
なにしろ開発規模が大きいため、確保する必要のある土地も広大になってしまいます。
そのため、当該の広い地域の住民に「建て替え」をすすめるという仕事が必要となります。

昔は「地上げ」を行って強引に住民を追い出した事実もあり、良くないイメージを持たれていました。
しかし現在では、「大規模マンションを新しく建て替えるにあたって、そのマンションの1室を譲りますから、この土地を売却してほしい」という交渉が多いようです。

ただ、住民の数はあまりにも多くなりますので、再開発に必要な土地の確保には数年がかりとなることも多々あります。
しかしこういった問題も、「区画整理」という行政が関わる事業だと話は変わります。
区画整理であれば、行政が開発することを計画した事業ですので、住んでいる人も区画整理が始まれば立ち退くという約束のもと、居住しています。
ですから民間のディベロッパーが個々の土地を確保していくような苦労は無くなります。

前述の「ららぽーと」や「虎ノ門ヒルズ」など、街の再開発を行うにあたっては大型商業施設を建設することも少なくありません。
ここでも大規模な土地が必要となりますから、周辺住宅の開発をするときと同様の苦労があります。

ただ、住宅を立ち退いてもらって商業施設を建てる場合には、交渉術として「建物の1室を譲ります」というわけにはいきません。
そのため、近くのマンションを購入して譲るなどといった、代わりの対応が必要となりますが、場所が変わることもあり、周辺の住宅開発における交渉よりも時間がかかる場合が多いようです。

街の再開発事業は大規模となりますので民間ディベロッパーだけで行うのは不可能であり、かといって公的ディベロッパーではノウハウ不足という点があります。
そのため公的ディベロッパーと民間ディベロッパーが協力して街の再開発事業にあたることが多くあります。

大規模な宅地造成

次の事例は大規模宅地造成です。
大規模な宅地造成とは簡単に言うと戸建ての街をつくることで、10棟以上の規模といったような、大きさの基準を定めているディベロッパーが多いようです。

大規模とはいえ、街の再開発事業ほどではなく、基本的には商業施設跡や大地主が所有していた土地を造成することが多くなります。
宅地造成とは、宅地の土地そのものをイチからつくります。
たとえば盛り土をすることで段差をなくしたり、逆に切土をすることで平らにします。

宅地造成が終わると戸建てを建築することになりますが、大規模な造成宅地には見本としてのモデルハウスを数棟まずは建てて、ほかの住戸を「建築条件付き住宅」とします。
建築条件付き住宅とは、売主のディベロッパーが施工会社を指定して土地を販売するものです。
こうすれば、購入者は施工会社以外の設備や仕様を選択することができ、ディベロッパーにも利益が回る仕組みになるからです。

販売に関しては、モデルハウスを使用します。
モデルハウスを案内して、見学客に室内のイメージをしてもらい、図面の説明などの営業で最終的な契約をしてもらう流れとなります。
ディベロッパーには販売部署があるところもあれば、販売部門は別会社に依頼するところもあります。
しかし、いずれにしろディベロッパーは土地の開発から販売まで一貫して責任を持つことになります。

マンション開発事業

最後の事例として、マンション開発事業を取り上げます。
マンション開発事業とは、簡単にいえばマンション1棟を建築し販売することです。
マンションの場合は数十戸~数百戸の規模になりますので、戸建ての宅地造成よりも大きな事業になります。
利益も大きいため、マンションディベロッパーという、マンション開発事業専門のディベロッパーも存在します。

マンション用地の取得は、規模によっては、宅地造成による戸建て開発よりも狭い土地面積で行われることもあります。
マンションであれば縦に大きなマンションを建築すれば、戸数を増やすことが可能になるからです。
その一方で、マンション開発のほうが戸建て開発よりも巨大な建築物となりますので、用地の取得において近隣とのトラブルも多くなります。
マンション開発のディベロッパーは、周辺住民との話し合いや交渉を行う必要もあります。

また、マンションの建築に関してはゼネコンが大きく関わってきます。
通常は土地の情報を得たところで建築規模を仮定して、複数のゼネコンに見積もりをかけます。
見積もりと、建築予定のマンションを売却した売り上げとを比較したうえで、ゼネコンを決めることになります。
マンションの建築に関しては、ディベロッパーの建築監理部署がゼネコン任せにせず、しっかりと監理していきます。

以上、2回にわたってディベロッパーの仕事について、今回は具体的な事業例3つとともにご紹介しましたがいかがだったでしょうか。
ディベロッパーとは開発事業を取り仕切る、土地開発の先頭に立つ会社です。

多岐にわたる業務のため仕事内容は大変ですが、規模が大きいのでやりがいも大きいと思います。
ディベロッパーの仕事をイメージするのに役立てば幸いです。

ディベロッパーとは その1

不動産業界への転職を考えていらっしゃる方のなかには、ディベロッパーという言葉を聞いたことがある方は多いと思います。
しかし、ディベロッパーと聞いてもどのようなイメージか、具体的にはわからないという方も多いのではないでしょうか。

不動産業であるとは曖昧には分かっていても、”developer”という単語から「開発」に関わるような職種というのは何となく分かるのですが、漠然としている印象を受けることも否めません。
今回は、ディベロッパーとは何なのか詳しくご説明したいと思います。

ディベロッパーとは

ディベロッパーとは英語で開発者の意味ですが、日本では土地や街を開発することを主な業務としている不動産会社のことを指します。
ディベロッパーが行う事業というのは多岐にわたっており、たとえば街の再開発事業やリゾート開発、大型商業ビルの開発に大規模な宅地造成、そしてマンション開発などがあります。
このような開発事業には、ディベロッパー以外にもさまざまな事業者が協力して行いますが、事業を先導していく企業はディベロッパーであることが多くあります。

一方で、大規模な開発事業であれば、ゼネコンが主導していくというイメージがあります。
ではディベロッパーは、ゼネコンとはどう違うのでしょうか。

ゼネコンとは、総合建設会社のことを指します。
簡単に言うと、ゼネコンは不動産を「つくる側」の企業であり、「建築を請け負う」ことが仕事になります。

たとえば、マンションを建築するとしましょう。
マンションを建築するときには、コンクリートを扱う業者や外装をつくる業者、さらに電気工事関係の業者や内装を仕上げる業者など、さまざまな業者が携わっています。
それらを取りまとめるのがゼネコンといわれる総合建設会社なのです。

そのため、ディベロッパーとゼネコンはパートナーのような関係になっています。
まずディベロッパーが土地を購入して、その土地をどのように開発するかを考案します。

そして、その開発内容を実際に設計し、設計内容を実行して建築するのがゼネコンとなります。
基本的な関係性としてはクライアントがディベロッパーであり、下請け会社がゼネコンという構図になります。
しかし、特に大手のゼネコンは、ディベロッパーと共に開発をしていくことも多くあります。
実際、ディベロッパーとゼネコンは共同事業を行い、共に事業者として土地を開発することもあります。

ディベロッパーの仕事内容

では実際にディベロッパーの社員はどういった仕事をしているのでしょうか。
ディベロッパーの社員の仕事内容は実に多岐にわたっています。
そもそもディベロッパー自体がさまざまな事業に関わっているため、社員の仕事も種類がたくさんあります。

まずは用地仕入れと呼ばれる部署です。
用地仕入れとは、文字通り土地を仕込んでくる部署で、マンション用地であったり商業施設の用地などの情報を得てきて、そこに建物を建てて利益を上げられるかを考えます。
ディベロッパーの中ではいわゆる「花形」部署であり、千個のうち三つしか事業化しない「千三つ」といわれるほど難しい部署でもあります。

情報を仕入れてくる元としては、街の不動産会社から商社や信託会社、そして行政など非常に幅広く色々な場所があり、情報源となる法人や個人とコネクションを多く持っています。
良い土地の情報があったときに、真っ先に自分へと連絡をもらえるように情報源との関係性を構築していくことが重要になります。
たとえばマンション用地の情報を得たら、まずそこにどの程度の規模のマンションが建つか仮定します。
仮定のマンションの売値を計算し、販売経費や建築費を加えたうえで、利益が出ると判断したときだけ土地を仕入れる、という流れになります。

次は建築監理という部署です。
建築監理とはゼネコンや設計事務所など、実際につくる建築関連企業とのやり取りする部署になります。
ディベロッパーは実際に建築することはほとんどありませんが、売主として建築物に責任を持つために、監理を徹底的に行います。

そのため建築物の構造や間取り、規模、品質などは詳細までチェックしたうえでゼネコンへ依頼します。
また、建築中も図面通りになっているか、工期に遅れはないかなど徹底的に監理するのも建築監理としての仕事になります。
大手ディベロッパーなどでは、デザインや設計なども建築監理で行うこともあります。
自社の建築監理でデザイン・設計したものをゼネコンに依頼することも少なくなく、その方が自社でブランディングしやすく、管理もしやすくなるからです。

マーケティングを担当する部署は、主に値付け、価格決定を行います。
マンションの住宅事業であれば、マンション価格の値付けをします。
値付けは、過去の膨大なデータや近辺の物件相場、そして不動産の全体の市場状況を加味したうえで行われます。

また、商業施設やオフィスビルの開発などでは、テナントの誘致や賃料などの査定をします。
マーケティング部署が算出する査定額が、その開発の売り上げにつながります。
その売り上げによって事業化するか否かが決定されるのです。

業務と呼ばれる部署もあります。
企業によってさまざまな呼ばれ方をされるようですが、ここでいう「業務」とは不動産に関わる膨大な書類を管理する部署のことです。

不動産事業というのは金額が大きな事業が多いため関連する会社も大変多く、契約に関係する書類の数も膨大な量となります。
たとえばマンションの開発ひとつとっても土地売買契約書に始まり、施工請負契約書、マンション近隣住民との協定書、モデルルームと賃貸契約書、購入者と結ぶ売買契約書など、代表的なものだけでもたくさんあり、細かく挙げると膨大な書類の量となります。
こういったものは、事業的な問題や個人情報保護の問題から、外注することができない書類となります。
そのためディベロッパーは社内には、書類を管理する担当部署が必ずあります。

続いては販売部署です。
ディベロッパーによって販売手法は異なり、販売を自社で行うディベロッパーもありますし、販売は別の会社に依頼するディベロッパーもいます。

大手ディベロッパーでは販売会社を独立させていることが多くありますが、いずれにしろディベロッパーは土地の開発から販売までのすべてにおいて、一貫して責任を持つことになります。

また、不動産の販売の仕事はただ不動産を売るだけではありません。
たとえばマンション開発事業であれば、マンションのセールスポイントの洗い出し、パンフレットなどの作成、広告展開の立案、モデルルーム場所の選定と建築、実際の売却業務、契約と引き渡しに関連する業務などさまざまです。
このような、売るための下準備から、売った後の手続きもディベロッパーの販売部署で行います。

以上がディベロッパーという会社についてと、その仕事内容のご紹介でした。
次回は、ディベロッパーが行っている具体的な事業を例に挙げて、どのような仕事内容かを取り上げていきたいと思いますので、引き続きよろしくお願いします。

不動産賃貸業について

不動産業界への転職を考えていらっしゃる方はご存知かと思いますが、ひとくちに不動産業界といっても「不動産取引業」、「不動産賃貸業」、「不動産管理業」の3つに分類されることは以前に申し上げたとおりです。
今回はリビンマッチのサイトを参考にした上で、このうちの「不動産賃貸業」についてご紹介できればと思います。

不動産賃貸業

「不動産賃貸業」とは、賃貸用の不動産物件に対して貸し手になるオーナーと契約して物件の宣伝活動を行う、また借り手となる入居希望者と契約を行って物件を貸し出す業務のことを指します。
貸主であるオーナーが自ら賃貸業として宣伝活動や契約業務を行うという場合もあります。

しかし、ほとんどの場合は仲介業者が貸し手と借り手の間に入り、宣伝活動や契約業務を行います。
賃貸向けの不動産の仲介業者は規模も様々で、物件には事業所や商業施設なども含まれます。
ですがここでは一般住居向けマンションやアパートなどの賃貸をする業界について考えていきたいと思います。

まず実際にある賃貸不動産の仲介業者とはどういった企業かいくつか挙げてみます。
賃貸不動産の仲介業者ではエイブル、アパマンショップなどのほかに、賃貸物件の建築と宣伝、そして契約までを受け持つ東建コーポレーションや大東建託、貸し出しの期間が特徴的なレオパレス21といった有名企業が代表的です。

このような企業をはじめ賃貸不動産の仲介業の会社において、営業職としては20代の若い世代が中心となって働いています。
基本的な入社条件としての実務経験や業界知識は問われないようです。

それよりも若さと体力で頑張って、経験を積んで成長してもらうという形かと思われます。

しかし勤務時間が長くなりがちで、体力を消耗する仕事のため高い離職率となってしまっているようです。
賃貸物件の建築まで行う企業では、より高度な営業スキルを求められているようです。
物件を投資として買ってもらい、顧客にオーナーになってもらわなくてはなりませんので、高い営業力が必要とされるため、40代以上の転職も多く見られるようです。

次に、仲介営業職の仕事内容について触れていきたいと思います。
一般に賃貸不動産の仲介営業職は、顧客への対応に多くの時間を費やし、また手間もかかる業務です。
顧客にとっては自分が多くの時間を過ごす、生活の拠点を探すわけですから、当然多種多様な条件が出てきます。
部屋の間取りや広さ、家賃や共益費はもちろん、設備面や周囲の環境、交通アクセスを含む地域の利便性など、条件をつけようと思えばいくらでもつけられます。

これら様々なポイントをまとめて、優先順位に応じて妥協する点があれば共有していきます。
そのうえで顧客の希望にかないそうな物件を紹介していきます。
顧客から実際の部屋を見たいと内見の要望があれば、その付き添いも行います。

無事に契約が成立すれば、申込書に必要事項を記入していただいて受理、賃貸契約書の作成と署名・捺印のお願い、契約に必要な料金支払いに関する手配、入居物件の説明事項の確認、物件の鍵の受け渡しといった具合に進んでいきます。
賃貸物件に住んだことのある方でしたらご経験はあるかと思いますが、あの入居時の一連の流れを行うことになります。
また契約が成立しなかった場合には他社に流れてしまわないように、より希望に合うと思われる物件を紹介できるよう、さらに調べていきます。

以上のように、仲介営業職が対応しなければならない業務は非常に多く、またひとつひとつが時間をとってしまうために仕事が長く、多くなりがちです。

業界には競合相手がごまんといますから、一人ひとりが1件でも多くの契約を取って生き残るために忙しく働いています。
営業職として、一から経験を積んでいきたいと思っている方にとっては、行動力や顧客との折衝能力、業務を効率化する力が付きますので有意義な面も多いかと思われます。

この不動産賃貸業という職種については先に述べたように、ほとんどの求人において業界の実務経験を不問としています。
ただし転職希望者であれば、何らかの営業経験があれば優遇されるといった傾向はあるかと思われます。
顧客の希望を聞き取り、あるいは希望を引き出してあげて納得のいく物件を紹介することから営業活動が始まりますので、個人に対する営業経験のある方はかなり役立つはずです。
うかがうべき顧客の希望条件は前述のように多岐にわたります。
希望している家賃の範囲や住居の広さと間取り、通勤・通学の経路など、柔軟に物件を提案できるように、顧客が必要としている条件をしっかりと把握することが、最終的に契約してもらうための最善の方法になると思います。

そのためには、顧客にできるだけ細かく住居のイメージを持ってもらうように、こちらからも引き出していく気持ちで臨まないといけません。
希望があまり無かったからといって安易に契約をまとめてしまうと、後になって未然に防ぐことができたはずのクレームが発生してしまう、ということもあり得ますから要注意です。

そして営業職の業務は顧客の対応ばかりではありません。

色々と細かい事務処理や空き物件の情報収集、物件オーナーとのやり取りなど並行して行わなければなりませんので、1日の業務時間は長くなりがちです。

そのため、体力的な疲れから限界を感じて離職、というのがこの業界のひとつの特徴となってしまっています。
仲介営業職に転職後、しばらくの間はペースや要領をつかめずに遅くまで仕事が終わらないといったこともあるかもしれませんが、業務内容の把握度合いや経験の蓄積で徐々に効率化されていくと思います。
まずは必要な知識をひとつでも多く身に付けることと、顧客対応を丁寧に行うことに尽力しましょう。

不動産管理業について

不動産業界とひとくちに言ってもその業務内容は多岐にわたっており、「不動産取引業」、「不動産賃貸業」、「不動産管理業」の3つに分類されることは以前お話したと思います。

不動産業界に転職を考えていらっしゃる方はご存知かとは思いますが、今回はこのうちの「不動産管理業」についてご紹介できればと思います。

不動産の管理業務の仕事は大きく4つに分けられるかと思いますので、順に説明していきましょう。

不動産管理業

まず1つめは入居者の対応業務です。
アパートやマンションなど賃貸物件の管理ですので、目的としては入居者の部屋での生活に問題が起こらないことが第一となります。
ですから、入居者からのクレームには迅速に対応しなければなりません。
クレームと一言でいっても、住人同士の対人トラブルからエアコンや窓など設備の故障、上の階で使用した水の漏水といった具合にその内容は様々です。

しかし共通して言えるのは、クレームの連絡は時間帯を選ばないということです。
おまけにクレームの処理は、場合によって入居者の怒りをおさめることから始めなければなりません。
緊急を要するときにはすぐにでも対応をしなければなりませんし、管理している戸数が多ければその分クレームの数も増えていきます。

もし入居者が家賃を滞納したときには催促を行わなければなりません。
家賃の未納は単なる払い忘れから、お金がないから払えないというケースまで様々です。
払い忘れの場合には、連絡して確認するだけで払ってもらえますので手間もそこまで掛かりませんが、問題は無視も含めた「支払うことができない」と入居者が主張してきた場合です。
そういったケースでは連絡が通じないこともままあるようで、本当に困っている場合もあれば、意図的に未払いを起こしているということもあります。

連帯保証人に連絡しなければならないこともあり、それで支払ってもらえればまだマシかもしれません。
なかには自分勝手な言い訳で支払いをゴネたり、口では払うと約束しつつ未入金のままだったりと、意図的に賃料を払おうとしない入居者や保証人もいるようです。
こういった入居者に催促や督促行為を根気よく続けていかなければなりませんので、精神的につらく感じてしまうこともあるかと思います。

そして退去する人が出た場合、退去の立ち会いをした後には原状回復に向けた工事の見積もりを業者に依頼して、退去者とオーナーの間でそれぞれの費用負担の割合を決める必要があります。
その他にも、入居者の賃貸契約の更新が迫ってきた場合には契約更新の有無の確認、更新の際には入居者に賃貸借契約書に記名捺印をしてもらう必要もあります。
入居者の対応に関しては、入居者にまつわる全てのことについてフォローしていくという考え方が必要になってきます。

2つめが、賃貸物件の空室を埋めるために入居者を募集する仕事です。
余程の好条件の部屋でもない限り、入居者が退去してから何もせずに次の入居者がすんなり決まるということはありません。
退去後に空室となった物件の宣伝資料を作成し、店頭やインターネット、周辺の不動産会社に広告活動を行い、物件の情報を知ってもらう努力をしないと、入居はおろか入居希望者からの問い合わせや内見の希望もありません。

また内見の結果、無事に入居希望の意思が確認できた場合には、契約に向けた初期費用の受領と入居日に行う鍵の引き渡しもまた大切な業務となります。

この業務に関しては、不動産会社によって違いますが不動産賃貸業の仲介営業を行っている人間のいる会社であれば、管理業の担当者が行うことはまずないと思われます。
しかし、小さな会社であれば当然様々な業務を兼任することとなりますので、営業がいない会社であれば管理担当の仕事となる場合もあるかと思われます。

3つめに賃貸物件の維持管理です。
管理している物件を定期的にまわって物件の維持管理を行う大切な業務です。
維持管理というのは、建物の共用部分の清掃や敷地内の雑草の除去、建物の部分的に破損している、または劣化しているところはないかなど、隈なく点検することです。

こういった業務は不動産管理業のなかでもビルメンテナンス業務と呼ばれています。
人の居住する建物のメンテナンスですから、物件の維持管理は正しく正確に行われる必要があり、消防法や建築基準法、原状回復に関するガイドラインなど色々な法律の知識に精通していることが求められるようです。
オーナーから管理を任せていただいている立場ですので、こういった仕事も重要となってきます。

4つめにオーナーへの対応業務です。
とりまとめた賃料の送金やその明細書の郵送、退去者が出た場合の原状回復工事の提案、建物の外壁や屋根などの大規模となる修繕工事の提案など、オーナーに対しても様々な業務があります。

当然のことですが、お金が掛かることに関してオーナーに無断で作業を始めるわけにはいきません。
管理業務の担当者からみると必要、もしくは不可欠であると判断されるような工事の場合であっても、オーナーが首を縦に振ってくれない、ということもままあることです。

そのような場合には、オーナーに工事の必要性を納得してもらえるように、丁寧にしっかりと説明をする必要があります。
こういったオーナーとの交渉も対応業務のひとつとなります。

また、オーナーといっても当該の賃貸物件の近くに住んでいるのかというと、必ずしもそうではありません。
まったく違う地方であったり、場合によっては海外に住んでいる方もいらっしゃいますので、賃貸物件の管理状況を報告するためのオーナーとのやり取りには注意する必要があります。

不動産の管理業務の仕事だけでもやらなければならないことは多数あります。
管理だけでなく賃貸業務の仲介営業も行わなければならない場合には、当然ながら部屋を探している顧客の対応もしなければなりませので、かなり大変な仕事となるのは間違いないと思います。
入居者からのクレームにしても、罵声を浴びせられることもあるかもしれませんし、家賃滞納者のなかには一筋縄ではいかない方もいるでしょう。

原状回復に関してはオーナーと退去者の双方とも金額の割合に納得がいかない場合には、両者の間で板挟みになって、どう解決したらいいのか途方に暮れることもありえます。
物件の維持管理に関しても、知識や経験が無いと破損部分の見落としなどが起きてしまいますので、日頃からの勉強も重要です。

こういった仕事内容ですから、入居者やオーナーからきついことを言われたとしても、それに耐えられる精神的な強さ、メンタルの強さが必要なのは間違いありません。
不動産の知識に詳しく、建物の設備に精通している優秀な人であっても、メンタルが弱いと厳しいかと思われます。
逆に経験が無く仕事ができないといった人でも、へこたれないメンタルさえあれば経験の蓄積に従って、だんだんと仕事を覚えていくことができます。

トラブルのときには大抵変わった人と遭遇することもあるかと思いますが、良い人もたくさんいます。
色々な人間と関わることが楽しいと思えるような人はこの仕事に向いているといえるでしょう。

不動産営業のコツって?

不動産業界で必要とされる不可欠な能力として営業する力がまず挙げられると思いますが、転職するにあたっては営業について考えることも、業界への適性を確かめる上で有効かと思います。リビンマッチのサイトを見ていると特にそう思います。

今回は不動産営業のいくつかのポイントとともに、営業の初心者が失敗しがちな例を交えつつ、営業を目指す方に役立つような内容になればと思います。

不動産営業を知る

初心者というのは営業に限った話ではなく、「経験がないために注力するポイントが分からない」というのはどの世界であっても一般に言えることかと思います。
力の配分や要領がまだ掴めていないということでしょう。
何においてもまだバランスがとれていないため、とにかく余計な動きが目立ちます。

営業になって間もない頃というのは、とにかく顧客に対し「見せる必要のない物件」を見せてしまいがちです。
不動産営業においては、顧客に目を通してもらう資料選びの際にも、余計な物件を入れてしまうのです。
おそらくは必要になるかもしれない情報が不足してしまうことを補うためなのでしょう。

資料の数は多ければいいというものでは無いのですが、経験の無さからくる不安がそうさせてしまうようです。
顧客の状況によっては問い合わせのあった物件だけを届けたほうが良いこともあります。
最初は経験やヒアリングによって選別する力を最初から持った方はいませんので、初めは上司に指導してもらい、どのように進めていけばいいのかを学んでいきましょう。

また要領がまだ掴めていない頃というのは、物件の案内についても同様に見せる必要のない物件を案内してしまいます。
どの物件をなぜ、どのように案内するのか、上司とよく相談しておくことがまずは必要になってくると思います。
適切な数と質の物件を紹介できることは、顧客と自分両方の負担を省くことにつながります。

営業の初心者というのは、とにかく顧客の提示した条件をかなえようと、一生懸命希望に合う物件を探します。
顧客のニーズを満たすことが物件紹介のゴールと考えますと、一見正しい行為に思われます。

普通、それが当たり前で間違ってはいないと考えられるでしょうが、こと不動産営業に限っては違ってくるのです。
というのも、顧客の希望と完全に合致したすべての要望を満たす物件というのは、普通に考えると存在する可能性は限りなく低いからです。
顧客は頭の中のイメージを担当の営業の方に共有してもらうべく、細大漏らさず要望を伝えてきます。

それは自分の希望がきちんと伝わるように、誤解されることが無いようにするための努力と言えるでしょう。
しかし立場を変えて考えますと、先ほど申し上げたような営業の初心者がやってしまいがちな「必要以上な情報の提供」と実は同じことなのです。

ほとんどの場合、顧客との相互理解を深めていき、条件の優先順位と取捨選択を一緒に整理しながら、最終的にどの物件を選び取るのか判断をしてもらうことが営業の仕事になります。
やはりお互いの無駄な労力はなるべく省くことを念頭に置きつつ進めていくことが重要なポイントとなります。

顧客の物件の購入時期を見極めることも営業にとって重要なことです。
必要に迫られて真剣に物件を決めるつもりで相談にいらっしゃる顧客もいれば、ただの興味本位だったりあくまで情報収集と割り切って、相談のみを目的とした方もいらっしゃいます。
営業としてはそれによって物件を紹介していく期間や優先度も変わってきますので、顧客がどのくらいの確度でだいたいいつ頃に購入しようかと考えていることを予想することは、契約を取るためには必要な技術となってきます。

そのためには顧客に対するヒアリングの力を高めていくことが求められます。
営業として効率よくヒアリングしていく手法とはどういったものなのか、考えていく必要があると思います。
物件へのニーズを把握する際と同様に、不動産営業では問い合わせに来た人全員に同じように対応していてはいくら時間があっても足りません。
一目で購入予定のある顧客かどうかを判断することは出来ませんので、ヒアリングを通して区別していくことが必要になるのですが、その際に最低でも以下の2つの情報を聞き出すように心掛けましょう。

聞くべきことのひとつめは、顧客が物件を探すことになったきっかけです。
物件探しの理由をまず聞くことによって、家や土地を購入することに対する本気度を測ることができます。
家族構成の変化、例えば親との同居や子供が生まれることになった、という方はかなり物件を買う可能性は高いと言えるでしょう。

また、家賃のお金をオーナーに払うくらいなら家を買ったほうが良いかと思った、といったきっかけであれば理由としてはありだと思いますが、急いで物件を決めなければならない、という状況にあるとは言えません。
このように物件を購入する理由を聞くことで、顧客の購入の確度や成約までの時間的余裕を予測することができ、顧客に対しての優先順位を決めていくことができます。

最も急いで購入したい方への対応を厚くすることが優先順位として正しいですし、購入の可能性が高い顧客からサポートしていくことが、他の営業に先を越されない、営業としての基本となります。

ですからこの質問は非常に大事な質問と言えます。
顧客とのファーストコンタクトでもうかがえる質問ですから、「お住まい探しはどういったきっかけからですか?」ということを問い合わせがあった最初に聞くという意識を、ぜひ持つように心掛けましょう。

もうひとつ聞くべき質問は、顧客の年収や手持ち資金額などの資金計画と残債です。
会って間もない営業に対して自分の収入の詳細に関して話したいという方はほとんどいらっしゃいませんから、こちらは幾分聞きにくい質問と言えるでしょう。

しかし、営業としても給料をもらって働いているわけですから、仕事として利益にならない人の相手をしていては当然いけない訳です。
ですから資金的に買えないという方に対しては、極力時間を割かないようにするための努力をする必要があるのです。
問い合わせに来る方は自分が家を買うことが出来ると思って相談に来ますが、実際には住宅ローンを組めずに買えないという方もいらっしゃいます。

こういった理由から、手持ちの資金と年収を聞くこととそれを確かめることは重要であり、早めに行うべき仕事なのです。
何度も資料を届け、車で物件の案内をさんざんした挙句、その方が住宅ローンを組めない方と判明することは、お互いに何時間も無駄にしてしまうことになってしまいます。

具体的な営業活動に入る前に聞いておくことが必要でしょう。
そしてこの質問は、お客様の気持ちを害することなく、自然に聞き出すようにしなければなりません。
顧客の希望する物件の価格帯を聞き取る際に、それに付随する形で質問できればいいかと思います。

もしくは、住宅ローンの事前審査をお勧めすることも有効ですが、この場合は他に住宅ローンが通らなかった方にまつわる失敗談とセットでお伝えしましょう。
念には念をという形をとって、あくまで「誠意からくる提案」ととってもらえるようにすることが大切です。

以上、不動産営業の主に初心者に関して必要なポイントをいくつか挙げてみましたがいかがだったでしょうか。
転職を考えている方に具体的にイメージしていただければ幸いです。

他の業界で営業経験のある方にとっては、共通する面もあって持ち込み可能なスキルもあるかと思います。
とにかく最初の段階では、周りの経験者の教えには素直に従っていくことが一番だと思います。
そのなかで経験を積みながら、自分なりに考えつつ工夫していくことで立派な不動産営業を目指していきましょう。

建設業界と比べてみた

不動産業界に関する情報を集めていると、必然的にかかわりの多くなってくる業界として、建設業界があげられると思います。
不動産が扱うのは土地と建物ですが、その建物を実際に建てているのが建設会社です。
お互いに隣接した業界ですので、比較することで新しい知見を得られることもあるかもしれません。
今回は少し視点を変えて、この隣接する建設業界について触れていきつつ、不動産業界の特性についても考えていけたらと思います。

建設業界とは?

建設業界も不動産業界と同じように、2020年の東京オリンピックに向けた建設ラッシュにより活況を呈しています。
建設業界の市場規模は15兆円以上と大きく、労働者数も非常に多く、平均勤続年数はほかの業界とくらべるとやや長いようです。
その理由として、職種的に専門性が高く、ベテランが長く活躍しやすいという傾向があります。
ですから平均年齢も43.9歳と高く、平均年収も600万円以上と高くなっており、営業活動を主体とする不動産業界とはかなり違うところであり、うらやましい限りです。

しかしながら、年齢も年収も高いことについては、単にベテランが多いことだけが原因ではないようです。
その理由について建設業界の抱える問題と地続きとなっていますので、一緒に説明していきたいと思います。

建設業界の抱えている課題として最初に挙げられるのが、深刻な人手不足です。
先程、労働者数が多いと述べましたが、あくまで他の業界に比べると、という話であって足りてはいないのです。

東京オリンピックや、東日本大震災に代表される近年の様々な激甚災害からの復興事業の影響によって、建設業界の需要は増加しているにもかかわらず人手不足に見舞われています。

とくに工事現場で稼働する職人と、その職人をマネジメントする技術者の不足が深刻で、震災の復興事業も進捗は遅れているのが現状です。
人手不足によって職人の労務費は当然上がりますので、建設コストの増加につながってしまい、その結果開発計画が頓挫してまったという事例もみられます。

不動産業界と同様、東京オリンピックを前にしたこの好景気に沸いているにも関わらず、建設業界だけなぜそこまでの人手不足が起こっているのでしょうか。

理由の一つとして挙げられるのが、若い世代の建設業離れです。
少子化の影響もあり、建設業界に就職する若者の数は減少傾向にあり、2020年には15万人ほどの労働人口の不足に陥ると言われています。
まず若年層が業界に入ってこなくなって入職率が下がり、せっかく入った若手の職人も業界を離れるため在職率も下がる、という悪循環が続いているのが現状です。

こういったサイクルで高齢化が進む一方で、若手が増えていかないわけですが、建設業界に「きつい・汚い・危険」のいわゆる「3K」のイメージがついてしまい、にもかかわらず基本的な福利厚生が徹底されていないというのも大きな理由と思われます。

二つめの理由としては、「リーマンショック」の影響による職人離れで、これが決定的だったようです。
徐々に起こりつつあった建設業界の人手不足に、更なる拍車をかけたのがアメリカのサブプライムローン問題に端を発したリーマンショックでした。

リーマンショックの混乱は世界中に広がり、日本も例外ではなく国内の建設需要は激減してしまいました。
これは職人の仕事の激減を意味し、結果仕事の無くなった職人たちは、食べていくために他の産業へ転職していくか、仕方なく退職の道を選んでしまいました。
その後の景気回復とともに、建設需要も回復してきたのですが、職人の数は減り続けたままでした。
元請けの建設会社の多くは人手が足りなくなったら辞めた職人を連れてくればいいと考えていたのですが、一度業界を離れた職人は簡単に戻ってくることはなく、実際に断られるケースも多かったようです。
その結果、景気が回復したのち増加した需要に対し、それに見合う労働力を確保できない人手不足の状態が続くようになってしまったようです。

不動産業界と同じく、建設業界も人々を取り巻く街や環境をつくっているものといえます。
ですから不動産と同様に建設業界のマーケットに影響をあたえてしまう物もまた、世界規模の好不況や、国内の少子化問題や災害など、幅広いジャンルのものとなるようです。

現実に起こっているニュースに業界が左右されていくところは不動産業界も同様です。
しかし不動産業界が2020年以降を懸念されているのに対し、建設業界は好景気に沸く今まさに課題に直面しているといえます。
建設業界は需要の増した現在も、建設会社の企業数そのものは多過ぎて過剰供給の状態でもあるため、各社の熾烈な価格競争により、その利益率は低いというおかしな矛盾もはらんでいます。
そして材料費の高騰と前述のような人件費の高さも利益率を低くたらしめている要因とされています。

こういった状況を打開するために、一部の企業では職人の待遇改善を始めているところもあるようです。
各社において、賃金面では「優良技能者手当て」など技術や経験、指揮能力などが買い叩かれることのないように、手厚く評価する方向に進むことでモチベーションを高め、人材の流出を防ぐねらいのようです。
社会保険を完備することにも注力し始めています。
とくに「社会保険未加入のところは国土交通省直轄の工事を受注できない」という決まりにするなど、システムから変えていこうという兆しが見え始めています。

また職人の長時間労働を防ぐために、工数を削減する工夫に取り組んでいたり、その省工数化の方法を共有化してみんなで使えるようにしたりと、業界全体で問題解決に取り組んでいるようです。

不動産と建設の両業界の最大の違いとして、不動産業界は他の業界から転職しても営業や接客の経験などボーダレスに通用する能力があるのに対して、建設業界で使える力というのは建設業界で育てていくしかないという点にあると思います。

その点に気付き始めた建設業界はようやく待遇の改善を始め、若い世代の獲得に力を入れ始めたようです。
今後迎える問題としては、不動産業界と同じく2020年の東京オリンピック以降の需要がどうなるかというところです。
リーマンショックのときと同じ轍は二度と踏まないように願うばかりですが、建設の仕事がどうなるかはその時を迎えてみないと分かりません。
中規模の企業が合併するとの意見もあったり、建設会社が合併して相乗効果を出すのは難しいので意味が無いなど様々な意見があるようです。
しかし間違いなくその影響は隣接する不動産業界にも伝わってきますから、その動向を注視しておくことは重要かと思います。

業界の動向と今後

不動産業界を目指す方にとって、業界が持つ今後の動向や課題などが気になる方は多いと思われます。
2018年現在、不動産市場は好況に沸いていますが、このような状況は東京オリンピックまで続いていくことが予想されています。
しかし、その後のことを考えると見当がつかないという方もいらっしゃるかと思います。
今回は不動産業界を目指す方へ業界の動向と今後の課題についてご紹介していきたいと思います。

不動産業界のいま

不動産業界と一口にいってもマンション開発や不動産流通、アパートや商業ビルなどの賃貸業など、その分野は様々で、まさしく我々を取り巻く街や環境をつくっているものといえます。
ですから不動産市場に影響をあたえるファクターもまた、世界情勢や景気、国内の少子高齢化問題や天災など、ジャンルを問わない幅広いものとなります。

現実に起こっているニュースなどに業界は左右されていきますので、業界内の動向はもちろんのと、あらゆる知識を幅広く取り入れていくことで対応していく必要があります。

財務省の法人企業統計調査によりますと、不動産業界は国内第4位の規模を誇るマーケットとなっており、その市場規模は39兆円を超えています。

不動産業界の景気に関しては、全体的に上向きの傾向が見られます。
金融が緩和され、日本銀行のマイナス金利政策のおかげで住宅ローンは低金利で組むことが可能になったため、その影響もあって新築の住宅着工件数はここ数年増加傾向にあるようです。
まさしく不動産の購入や投資にとって、最適な時期と言えるでしょう。

都心あたりでは2020年の東京オリンピックに向けて、選手村の予定地である湾岸エリアを中心に大規模なビル開発が進んでいます。
他方、渋谷や虎ノ門、市ヶ谷などでも商業ビルやタワーマンションの建設が続いていて、売れ行きも好調を維持しているのが今の状況です。
不動産業界の全体的な活況は今後2020年の東京オリンピックまで続くと見られています。

しかしながら、このような好景気の流れはオリンピック後にも持続するとは予想されていないようです。
現在の不動産バブルはオリンピック効果を見込んだ投機目的の要素が強いために、需要が落ち着くと見られるオリンピック開催直前になった

途端、大量の不動産が売却されたあげくにバブルがはじけて地価が暴落といったこともあり得ます。
現実のところ、地価がどう動くかはその時でなければ分かりませんが、現在の高い需要が永遠に維持されていくものではないことは確かなので、将来に不安を感じている業者も少なくないようです。

そして日本国内で抱えている課題として、一番分かりやすく確実に影響が出てくるのが人口減少問題です。
もし仮に現在の少子高齢化がこのまま進み続け、若年層を中心とした生産年齢人口が減り続けてしまうと、アパートやマンションの需要も減ってしまい、都市部でも空室や空き家が目立つようになってしまうかもしれません。

人口減少社会を見据えて、いかに物件販売の流通網を作り出すかが、不動産業界で生き残っていくカギとなっていきそうです。
社会の構造変化に対して柔軟に対応できる、多種多様なサービスを作り出す必要があります。

ではそういった課題に対してどういった対策が考えられるでしょうか?
人口減少の影響によって空き家などが増えるとの予想から、中古住宅を扱うケースも増加していくかと思われますが、中古住宅業界ではビッグデータ解析を使った情報公開システムが採用されています。
情報公開システムは中古住宅の購入を検討する方へ、安心と信頼をあたえる役割を果たしているといえます。

いっぽう不動産情報の活用する仕組みとして、業者間で不動産情報を登録・閲覧できる「REINS(レインズ)」というシステムがあります。
レインズとは、Real Estate Information Network System(不動産流通標準情報システム)の略称ですが、この情報システムは会員のみが使えることになっており、一般の顧客ユーザーには公開されていません。

こういった顧客ユーザーと不動産業者の情報格差をなくすことも、業界が今後の時代に対応していくためには必要なことと思われます。
情報公開のIT化を進めていくことで、誰もが平等に不動産情報をキャッチできる、キャッチしやすいシステムを作り出すことにより、さらに市場は活況を維持し続けていくことが可能になるかもしれません。

ビッグデータ解析を使ったマンション(想定)価格をオープン化して、無店舗運営、手数料割引を実現している不動産会社もあります。
無店舗とはいえ、もちろん売買に関する相談や、契約までに必要なサービスにはスタッフによるサポートがありますが、IT化によるシステム改革は有効な対策になる、という代表的な例かと思われます。

また不動産業界ではビットコインで有名なブロックチェーン技術を応用した、高度な情報管理システムを活用していく動きが見られます。
賃貸物件を例としますと、住宅の供給をはじめ物件の管理や入居者探し、入居希望者の案内から契約成立まで、一連の流れを完成させるためには当然色々な業者とのやりとりが発生します。

新たな情報管理システムにつなげることによって、これまでのような個別対応の煩雑さをなくした一括サービスを提供することにより、顧客の満足度アップが期待されています。
また個々の不動産会社が共有できるようなプラットフォームや標準フォーマットを作り出すことが可能となれば、不動産業界全体が連携のとれた一つの新しいシステムとして生まれ変わるかもしれません。

まとめますと、今のところ好景気な不動産業界も、2020年の東京オリンピックでいったん需要は落ち着くと見られおり、人口減少による空き家の対策など今の段階からの問題解決に向けた取り組みが不可欠となります。
打開策として、情報管理のIT化やブロックチェーン技術を用いたシステムの刷新などは市場の成長を占う重要なファクターになり得ますので、これから不動産業界を目指す人材には先進技術への興味、あるいは多少精通していることも求められるかもしれません。