Mr.リビンマッチが解説する不動産営業の種類

「Mr.リビンマッチ(旧スマイスター)が解説するリビンマッチ(旧スマイスター)・不動産業界転職人材」今回は「不動産営業の種類」です。

不動産業界の仕事として、一番イメージしやすいのが営業だと思います。
一般人が不動産に関わる場合は顧客になりますから、その際についてくれるのは営業の方だからでしょう。

しかし、一口に不動産営業といっても扱う領域によって仕事内容は大きく違うようです。
一括りにされてしまいがちな不動産営業について、リビンマッチ(旧スマイスター)サイトからの情報も参考にしたものをその種類別にご紹介したいと思います。

不動産営業の種類

■賃貸営業

賃貸マンションやアパート、賃貸戸建て、店舗、オフィスの賃貸営業を行う不動産会社はもっとも数多く存在します。
街で見かける不動産会社の多くは賃貸営業を主とする会社です。
賃貸は、住宅やテナントを借りたい人に物件を紹介する「客付け」と呼ばれる営業と、大家から物件を預かって管理する「管理業」に分類されます。

客付けの中でも居住用不動産と、オフィスや店舗などといった事業用不動産の営業でも大きく違います。
居住用不動産の賃貸営業は、店舗への来客は予約なし、2~3月の引っ越しシーズンとなる繁忙期にはかなり忙しくなるなどの特徴があります。

居住用不動産売買の場合には、予約なしでの来店は少なく、繁忙期の偏りも大きくありません。

管理業は不動産業の中でもっとも安定したビジネスといえます。
賃料の5%ほどの金額で、入居者トラブルへの対応や、賃貸更新、入居者募集などを行います。
更新が行われた場合や新しく入居が決まった場合には、オーナーから別途費用をいただきます。

■居住用不動産売買営業

居住用不動産売買営業は、家を売買する仕事です。
居住用不動産の営業において重要なのは「物上げ(ぶつあげ)」と呼ばれる売却物件の依頼、つまり「売主」の依頼を受ける営業です。
不動産売買においては「売主側の不動産会社」と「買主側の不動産会社」がそれぞれ顧客のエージェントとして実務を行います。

このうち「売主側の不動産会社」は、うまく売主を獲得できればほぼ確実に売上をあげることができます。
ですから売主の争奪戦は激しいものとなります。
もちろん家を買う方である、買主への営業も大切な仕事です。
要望をしっかりとヒアリングし、物件の提案から案内、契約締結、引き渡しまでを一貫してサポートします。

また、ディベロッパーが売主となる新築のマンションや新築戸建てを販売する営業もあります。
新築マンションの販売の場合、マンションの販売業務を行える不動産会社は限られています。

個人が売主となる中古マンションを販売する場合は、不動産会社どうしが情報交換しなければならないという法律があり、どの不動産会社であっても売りに出ている中古マンションは基本的に顧客に紹介できます。

その一方で、新築マンションの場合は売主が法人であるディベロッパーです。
ディベロッパーとは企業ですので、販売委託契約を結んだ販売会社だけが独占して販売できます。

■投資用不動産売買営業

不動産営業のなかでも最もシビアなのが、新築マンションなどの投資用不動産販売になります。
投資用不動産とは、マンション購入者がその部屋を賃貸に出して、入居者から家賃収入を得るという投資の商品となります。

ワンルームなどの投資用マンションの販売は、電話セールスや飛び込み営業があり、非常にシビアで厳しい営業となります。
しかし投資用マンションは、通常は自社で開発した物件の販売をしますので、営業は厳しくともその分売れた際には会社として利幅が大きいという特徴があります。

また各部屋ではなくアパート一棟や商業ビル一棟などの売買を行う一棟物の売買もあります。
一棟物の売買では、プロの不動産投資家に対して営業を行います。
上述のワンルーム投資では、サラリーマンが節税や老後のために不動産を購入することが多いのですが、一棟物では買主も大家を行うプロが多くなります。

一棟物の売買では商品の利回りや流動性が重要になりますので、物件情報が水面下でやりとりされています。
それゆえに、良い物件情報を掴んでいることが営業マンの生命線になりますので、他の不動産業者とのコネクションが多いことが必須となります。

■不動産買い取り・用地仕入れ営業

不動産を売るのではなく買う営業も存在します。
不動産を仕入れる方法として、他の不動産仲介会社から買ったり、自社で売主を探し出して買ったりします。
情報を集めることがカギとなりますので、日々多くの不動産仲介会社に顔を出し、物件の情報収集を行い、ネットワークを築き上げていくことが仕事になります。

買い取り・仕入れの「買う」という営業ですが、売るよりもハードな営業といわれています。
仕入れを行って利益を出すためには市場値の6~7割くらいの価格で買い取る必要があるため、千個のうち三つしかない「千三つ」といわれるほど難しい仕事であり、ひたすら物件情報を集める必要があります。

■地上げ営業
開発事業において住民のいる土地を取得するため、地上げを行う営業のことです。
地上げというとバブルの時代の「地上げ屋」が浸透してイメージが悪いですが、実際の地上げ対象の地域に住む権利者に対して丁寧に交渉を行い、立ち退きをしてもらってから不動産を買い取ります。

土地が大きくなると、大規模な不動産開発事業ができますが、一方でどうしても立ち退きが必要となる区画も出てきますので、地上げ営業には非常にタフな交渉力と精神力が必要です。

Mr.リビンマッチが解説するゼネコンとは その2

「Mr.リビンマッチ(旧スマイスター)が解説するリビンマッチ(旧スマイスター)・不動産業界転職人材」今回は「ゼネコンとは その2」です。

今回も、不動産と関わりの深いゼネコンという会社についてご紹介していきたいと思います。
前回ゼネコンについて、その定義や業務内容についてご紹介いたしました。
おさらいとして、ゼネコンは建築で多くの協力会社をまとめあげるリーダーとして、社内に設計・施工・研究という3部門を有している、ということはすでに述べました。

詳しくは前回のゼネコンとは その1をお読みください。
その3つの部門、設計・施工・研究がゼネコンに必要とされるには理由があります。

総合建設業者である理由

前回ご紹介したゼネコンの実務内容について、例として挙げたマンション建築を請け負う流れからも分かりますが、ゼネコンにはディベロッパーの窓口となる役割があります。

そのため、設計だけができたり施工のみ行えるということでは、ディベロッパーと総合的な協議をすることができません。
見積もりを出す際に、ゼネコンに設計部門がなければ、ディベロッパーの要望に応えることができません。
仕様や品質の協議をする際には、設計部門と実際に施工する経験、ノウハウがないとディベロッパーに提案することができません。
そして、設計・施工で得たノウハウを活かして、どうやって品質を保ちつつコストダウンを実現するかという研究も行っていく必要があります。

売り上げが多く、体力のあるゼネコンが研究を怠ると、大きな意味では日本の建築技術の衰退につながってしまうのです。
また、着工後に図面が変わることもよくあり、その他資材などの多くの細かい変更も頻発します。
仮にゼネコンに設計・施工・研究の部門のどれか一つでも欠けていたら、そのような変更に柔軟に対応することができなくなってしまうのです。このような理由から、リーダーシップをとることになるゼネコンには設計・施工・研究の3部門が必要となります。

・ゼネコンと入札
ここで話は少し変わりますが、皆さんはゼネコンという言葉から連想できることはないでしょうか。ゼネコンとセットとなる言葉といえば「入札」があります。

入札とは、ゼネコンが仕事を請け負うときに、金額を記載した札を入札して、企業が仕事を獲得することです。
通常の入札は競争入札と呼ばれるもので、各社が「工事金額」を競って入札することです。
ただし、ゼネコンを選定する基準には「工事金額」以外にもあり、工事概要、工事期間、工事の質なども示し、基準を満たす必要があります。

ですから事業計画書を簡易的に作成して、あらかじめ工事の発注主に提出しておき、そのうえで工事価格を導き出して、金額を書いた札を入
札箱に入れます。

発注者側は、すべての企業の入札が終わると札を確認します。
ゼネコンの選定基準としては「最も工事見積額が安い企業」と「工事予定価格に一番近い企業」の2つがあり、いずれか一方の基準でゼネコンが選定されます。

「最も工事見積額が安い企業」だけではなく、「工事予定価格に一番近い企業」という基準があるのは工事の品質を確保するためです。
極端に安い金額だと工事の質にリスクが生じますので、その点を注意して事業計画書を考慮し、そのうえでゼネコンを選定します。
ゼネコンは、ディベロッパーから仕事を依頼されるほか、こういった入札という形でも仕事を獲得します。

ここで入札の際に問題となる談合についても少し触れておきましょう。
ニュースなどでよく耳にするのは、「ゼネコン」「入札」ときたら次は「談合」です。
談合という言葉自体は「話し合い」という意味ですが、ここで使われる談合はいわゆる悪だくみの話し合いです。

競争入札をする理由というのは少しでも工事価格を抑えることであり、価格の高騰を防ぐことが目的です。
公共事業であれば、税金使うためなおさら工事費用を抑えなければなりません。
しかし談合で話し合われるのは、競争するはずのゼネコンと発注業者側が、事前に裏で入札価格と落札価格を決めておくことです。
仕組みとしては、入札したゼネコンには十分に利益が出るようにして、その中から発注者にキックバックが渡されるという形です。

スーパーゼネコンと大手・中堅ゼネコン
明確な定義があるわけではありませんが、ゼネコンは売上高によって3種類に分かれます。

それがスーパーゼネコンと大手ゼネコン、そして準大手(中堅)ゼネコンと呼ばれるものです。
ゼネコンで売上高が年間1兆円を超える企業をスーパーゼネコンといい、トップ5を独占している会社をいいます。
スーパーゼネコンは「大林組」「鹿島建設」「清水建設」「大成建設」「竹中工務店」の5社です。
この5社は日本の不動のスーパーゼネコンとして知られており、5位と6位の差は5,000億円近くも開きがあります。

大手ゼネコンはスーパーゼネコンに準ずる規模のゼネコンで、目安としては年間売上高3,000億円以上となっています。
場合によって3,000億円以上を準大手、4,000億円以上を大手と分けることもあります。

スーパーゼネコンほどではありませんが、大手・準大手ゼネコンも有名な大企業であり、超高層タワーマンションや複合ビル、商業施設を手掛け、それ以外にもダムや発電所、公共事業など多くの不動産を建築しています。

・サブコンとは
ゼネコンと対比して語られる言葉に「サブコン」があります。
サブコンとは、ゼネコンの下請けとして実際の土木・建築工事を請け負う建設業者のことを指します。

ゼネコンがリーダーであれば、サブコンはゼネコンの指示に従うメンバーという感じになります。
サブコンにはさまざまな専門業者や協力会社がいて、ゼネコンはサブコンそれぞれに仕事を振り分けます。
サブコンの進捗管理や調整をするのがゼネコンの仕事です。

サブコンは多くの種類があり、とび職や大工などのいわゆる職人を擁する企業であったり、電気設備や空調設備の建設を専門にしている企業などさまざまです。

また、大工といっても木造大工もいれば、型枠大工と呼ばれる鉄筋コンクリートや床・壁などをつくる大工もいますし、とび職であれば工事現場の足場をつくる職人もいれば、鉄骨を組み上げる職人もいます。
他にも電気設備だったり、水道の配管、機械設備の専門家も集まりますし、家具や金物、フローリングや塗装、タイルなどそれぞれの箇所にそれぞれの専門家がいます。

これらすべてがサブコンの企業ですから、ゼネコンがいかに多くの企業や人々と一緒に仕事をするかが分かります。
そしてゼネコンはサブコンを束ねる立場ですから、ゼネコンの現場監督には多くの知識が求められます。

サブコンにも現場監督がいて、自分が管轄する場所の施工管理を行います。
ゼネコンの現場監督の下でサブコンをまとめ上げ、リーダーであるゼネコンの現場監督を支える役割を担います。
建設現場での1日の流れとしては、大抵の場合ゼネコンとサブコンの全社員・全職人が集まって朝礼を行ってスタートです。

朝礼後、サブコン各社で集まり現場監督を中心に打ち合わせをして、進捗確認や安全確認、指示出しをします。
ゼネコン直下のサブコンであれば、ゼネコンの現場監督がその役割を担うこともあります。

また、ゼネコンの現場監督は1人1物件が原則で、それ以上になる余裕もありません。
それほどゼネコンの現場監督というのは現場のすべてをカバーするため大変なのですが、サブコンの現場監督は1人で複数物件を担当するケースもよくあります。

サブコンの管轄する場所は限定されていますので、サブコンの現場監督が他の現場に出て不在ということもあるのです。
その際の進捗管理はゼネコンの社員が行うこともあり、このようにゼネコンとサブコンは密接な関わりを持っています。
ゼネコンとサブコンが力を合わせることで、不動産を完成させているのです。

ゼネコンについてのご紹介は以上になります。
ニュースや新聞では当たり前のように使われるこのゼネコンという言葉ですが、案外知らないことも多かったのではないでしょうか。
2回にわたって説明して参りましたが、今回はゼネコンまわりの入札や協力会社との連携も含めて紹介してきました。
不動産と関わりの深いゼネコンについて知っておくことは大いに役立つと思います。

 

ゼネコンとはその1を読む

Mr.リビンマッチが解説するゼネコンとは その1

「Mr.リビンマッチ(旧スマイスター)が解説するリビンマッチ(旧スマイスター)・不動産業界転職人材」今回は「ゼネコンとは その1」です。

以前、不動産会社であるディベロッパーという企業についてご紹介した際に、ゼネコンについても軽く触れました。
ディベロッパーとも多く仕事をする機会のあるゼネコンについては、ニュースや新聞などで目にすることも多いかと思われます。
今回は不動産を実際につくる側であるゼネコンについて、一体どういう会社なのかご紹介したいと思います。

ゼネコンとは

ゼネコンとは総合建設業者のことであり、ビルやマンション、その他の施設を含め建物を建てる会社をまとめて呼びます。
「大林組」や「清水建設」、「鹿島建設」などの大企業が、ゼネコンと呼ばれる企業に含まれています。
ゼネコンは、総合建設業者とは呼びつつも、自分の会社で建設のすべてを行うという訳ではありません。
自社で行うというよりは、元請け業者として施工全体を管理するという役割になり、建築の実務を担当する土木・建築関係の会社をすべてゼネコンが統括することになります。

ある不動産を建設する際にゼネコンが主導して、その他の協力会社に指示を出すようなイメージです。
そのためGeneral(総合的・全体的) Contractor(請負業者)、ゼネラル・コントラクターと呼ばれ、ゼネコンと略されるようになりました。

ゼネコンの定義

このゼネコンという言葉について、明確な定義はありません。
しかし一般的には、ひとつの会社で「設計」「施工」「研究」を行っているかということが、ゼネコンかどうかを分けるポイントとされます。

もちろん大前提として売り上げが高く、なおかつこの設計・施工・研究を自社内ですべて行う会社をゼネコンと呼びます。
この設計・施工・研究は、それぞれ完全に独立した機能をもった部門ですので、これを全部持った会社は基本的に大きく資金力のある会社でないとできません。

また、ゼネコンがこの設計・施工・研究を管理していないと、リーダーとして土木関係の会社を率いるという役割を担うことができません。
では、このゼネコンの条件、設計については文字通りですから省くとして、残りの2つ施工・研究について考えてみましょう。

1.施工について
まず施工とは具体的にはどういったことか、ゼネコンが施工時に担う役割について説明します。
まずは、現場の安全管理です。
下請け業者の人たちの業務が安全に行われるように、建築現場の通路確保や労働時間の管理などを徹底的に行います。

建築工程をしっかりと管理することも重要な仕事です。
不動産を建築する際には、土台作りから生コンクリートの注入、鉄筋の枠組みなど、多数の段階を踏んでいきます。
その段階はそれぞれスケジュールが決まっているのですが、下請けはひとつの業者だけではなく、複数の業者が協力し合って請け負っています。

そのため、集まった複数の業者の進捗状況を一括で管理し、建築工程に遅延がないかを監督するのもゼネコンの役割となります。
この建築工程の管理は、ゼネコンのもっとも重要かつ難しい仕事となります。
建築途中で計画が変更・修正されることは実際によく起こります。
図面が根本的に変わるほどの大変更はまれですが、資材の種類や仕様の軽微な変更は良くあります。
工程の管理でこれらの変更にも対応しなければなりません。

また、職人の数の調整などの人件費の管理も必要です。
こういった資材費用や人件費など、建築に関わるすべての原価を管理するのもゼネコンの役割となります。

建物の品質管理も重要な仕事です。
不動産の建築には「青図」と呼ばれる詳細な図面があり、非常に細かく記載されていて、各部材や資材メーカーまで細かく決まっています。
ゼネコンは、その詳細まで設計図どおりに進捗しているかを管理しなければならず、この品質管理が徹底されないと仕様どおりの建物とはなりません。

2.研究について
建設業者の研究とは何でしょうか。
ここでいう研究とは、たとえば「コンクリートの技術研究」というようなものです。
ゼネコンがこのようにわざわざお金をかけて技術研究をするという理由は、ひとえに建築にかかる費用を抑えてかつ高品質の不動産をつくるためといえます。

コンクリートの技術研究でいうと、耐震性や施工の合理化を追求していくという感じです。
仮説を立てて検証し、実験を重ねていくことで、より頑丈で費用を抑えたコンクリートを作り出す方法を日々研究していきます。

一方、工務店や建設会社はこの3つの機能すべてを持っているわけではなく、ゼネコンに比べると規模も小さくなります。
工務店であれば、基本は一戸建ての建築が専門で、設計・施工は行いますが、研究はしません。
建設会社も同様に設計・施工までであり、まれに研究を行っている会社もありますが、ゼネコンと比べると研究の規模は小さいものとなり、売り上げも少なくなります。

3.実務内容
ゼネコンが民間の企業から仕事を請け負う際には、不動産ディベロッパーから依頼を受けることが多くあります。
たとえば、マンションを建築するときの流れを例に説明しますと、まずディベロッパーがマンションを建築する土地を探し出し、その土地の所有者、もしくは仲介会社にアプローチします。

ディベロッパーは、その土地にどういうマンションを建築できるかの仮となる設計図を、ゼネコンを経由して設計事務所に依頼します。
仮の設計図をもとにマンションの「規模」を把握することで、ディベロッパーはそのマンションの売り上げを算出します。
その売り上げから大体の収支が合い、検討の価値ありと判断できれば、ここで初めてゼネコンに見積もりを依頼することになります。

ゼネコンが直接ディベロッパーと関わるのはこの段階からとなります。
ゼネコンは、資材や人件費などの不確定要素がありますので、あくまで「簡易的」な見積もりをディベロッパーに出します。
ディベロッパーは売上、建築費、販売経費、利益を総合して計算したうえで、土地の購入資金を算出し、その金額で土地所有者が合意したら土地を取得します。

一方のゼネコンは、見積もりを出してからはディベロッパーと交渉を重ねていくことが多く、土地の取得が現実味を帯びてくるほど細かい調整が密になっていきます。

ゼネコンがディベロッパーに見積もりを出しても、ディベロッパーが実際に土地を取得してから建築の申請をするまでに時間がかかるため、実際の工事に着工するまでには数か月かかります。
見積もりから着工までの期間はどうしても空いてしまいますので、見積もりの段階では資材の価格も人件費もどの程度になるか分かりません。

ですから、見積もりから着工までの間で見積もり額が変わってしまうことは良くあります。
ディベロッパーにもよりますが、通常は着工直前に正式な見積もり額を再度出し、その金額で契約することになります。

こういった理由から、ディベロッパー側からすると、もし見積もり金額が大きく変わってしまった場合には収益が圧迫され、ときには赤字となる危険もあります。
そのため、少しでも価格を抑えるため、外壁や共用施設、外部廊下や各戸の専有部分の「仕様」について、ゼネコンと詰めていきます。
あくまで建物の耐震や構造についてではなく、品質についての話が多く、品質をどれだけ落とせるか協議していくことで対応していきます。

今回は、不動産と深い関わりのあるゼネコンという会社について、その定義や業務内容についてご紹介いたしました。
次回も引き続きゼネコンについて、今度はオリンピックニュースなどでも見かける「入札」に関してや、ゼネコンの序列についてご紹介したいと思います。

 

ゼネコンとはその2を読む

Mr.リビンマッチが解説するディベロッパーとは その2

「Mr.リビンマッチ(旧スマイスター)が解説するリビンマッチ(旧スマイスター)・不動産業界転職人材」今回は「ディベロッパーとは その2」です。

前回では、ディベロッパーという会社についてと、その仕事内容についてご紹介しました。
ディベロッパーとは土地や街を開発することを主な業務としている不動産会社のことをいい、その業務内容は幅広いものとなります。
多くの開発事業はさまざまな事業者と協力して行いますが、事業を主導していく企業がディベロッパーとなります。
また、ディベロッパーは基本的にゼネコンのクライアントとなりますが、大手ゼネコンと組んで共同事業者として土地を開発することもあります。

社員の仕事内容としては用地仕入れから建築監理、マーケティングに業務、販売まで多岐にわたっており、土地の情報収集から購入、建てる不動産の収益性からデザインの立案、建築物の監理と販売、そして売った後の手続きなど、開発事業の最初から最後まで一貫して責任を持ちます。

以上が前回の内容の要約となります。
詳しくはディベロッパーとはその1をご覧ください。

前回はディベロッパーの基本的な業務の流れの説明でしたが、実際の開発事業ではその種類によってさまざまな仕事内容があります。
今回は、ディベロッパーが行っている具体的な事業例を通じて、どのような仕事内容かをご紹介していきたいと思います。

街の再開発事業

街の再開発事業とは、インフラや住宅、商業施設などその街の中心となる建築物を建造することで、新たに街づくりをする事業のことをいいます。

街の再開発をする際には、その街の象徴となる大規模な建物を建てることが多く、たとえば池袋の区役所一体型マンションや、渋谷のヒカリエなどが有名です。
そのようなシンボルとなる大型建築物を中心に、インフラの整備、周辺住宅の開発、そして周辺商業施設の開発を行っていきます。

街の再開発に不可欠なのが、インフラ整備です。
具体的には道路を拡げたり、歩道を整備したり、線路を地下に移動させたりといった、その街の交通の利便性や、景観をアップさせることを目的とした整備を行います。

たとえば、京王線は調布駅あたりで地下化する工事が行われ、調布駅を含むいくつかの駅が新しくされています。
また虎ノ門開発を例にとると、まずシンボルの「虎ノ門ヒルズ」ができあがり、そこに続く環状二号線が新橋から開通されて、豊洲市場までつながっていきます。

ただ、インフラ整備は道路や線路など「国土」にかかわってくる開発であり、そのため当初の計画とは変更になったり中止になったりする場合もあります。

インフラ整備に関しては、道路や公共施設などが関係してくることになり、大きな再開発については国が主導する公的ディベロッパーが中心になることが多くなります。
民間のディベロッパーは、国の公的ディベロッパーの下で協力会社として参加するパターンが多く、公的ディベロッパーの指導のもと、ゼネコンと共に建築監理をすることになります。

街の再開発事業においては、インフラ整備と同時に周辺住宅の新築工事をすることも少なくありません。
湾岸エリアの豊洲では「ららぽーと豊洲」という大型商業施設を中心に、ディベロッパーがその周辺において新築分譲マンションの開発を進めていきました。

こういった街の再開発に伴う住宅開発は、一般の住宅開発よりも難易度が高く、大変なものとなります。
なにしろ開発規模が大きいため、確保する必要のある土地も広大になってしまいます。
そのため、当該の広い地域の住民に「建て替え」をすすめるという仕事が必要となります。

昔は「地上げ」を行って強引に住民を追い出した事実もあり、良くないイメージを持たれていました。
しかし現在では、「大規模マンションを新しく建て替えるにあたって、そのマンションの1室を譲りますから、この土地を売却してほしい」という交渉が多いようです。

ただ、住民の数はあまりにも多くなりますので、再開発に必要な土地の確保には数年がかりとなることも多々あります。
しかしこういった問題も、「区画整理」という行政が関わる事業だと話は変わります。
区画整理であれば、行政が開発することを計画した事業ですので、住んでいる人も区画整理が始まれば立ち退くという約束のもと、居住しています。
ですから民間のディベロッパーが個々の土地を確保していくような苦労は無くなります。

前述の「ららぽーと」や「虎ノ門ヒルズ」など、街の再開発を行うにあたっては大型商業施設を建設することも少なくありません。
ここでも大規模な土地が必要となりますから、周辺住宅の開発をするときと同様の苦労があります。

ただ、住宅を立ち退いてもらって商業施設を建てる場合には、交渉術として「建物の1室を譲ります」というわけにはいきません。
そのため、近くのマンションを購入して譲るなどといった、代わりの対応が必要となりますが、場所が変わることもあり、周辺の住宅開発における交渉よりも時間がかかる場合が多いようです。

街の再開発事業は大規模となりますので民間ディベロッパーだけで行うのは不可能であり、かといって公的ディベロッパーではノウハウ不足という点があります。
そのため公的ディベロッパーと民間ディベロッパーが協力して街の再開発事業にあたることが多くあります。

大規模な宅地造成

次の事例は大規模宅地造成です。
大規模な宅地造成とは簡単に言うと戸建ての街をつくることで、10棟以上の規模といったような、大きさの基準を定めているディベロッパーが多いようです。

大規模とはいえ、街の再開発事業ほどではなく、基本的には商業施設跡や大地主が所有していた土地を造成することが多くなります。
宅地造成とは、宅地の土地そのものをイチからつくります。
たとえば盛り土をすることで段差をなくしたり、逆に切土をすることで平らにします。

宅地造成が終わると戸建てを建築することになりますが、大規模な造成宅地には見本としてのモデルハウスを数棟まずは建てて、ほかの住戸を「建築条件付き住宅」とします。
建築条件付き住宅とは、売主のディベロッパーが施工会社を指定して土地を販売するものです。
こうすれば、購入者は施工会社以外の設備や仕様を選択することができ、ディベロッパーにも利益が回る仕組みになるからです。

販売に関しては、モデルハウスを使用します。
モデルハウスを案内して、見学客に室内のイメージをしてもらい、図面の説明などの営業で最終的な契約をしてもらう流れとなります。
ディベロッパーには販売部署があるところもあれば、販売部門は別会社に依頼するところもあります。
しかし、いずれにしろディベロッパーは土地の開発から販売まで一貫して責任を持つことになります。

マンション開発事業

最後の事例として、マンション開発事業を取り上げます。
マンション開発事業とは、簡単にいえばマンション1棟を建築し販売することです。
マンションの場合は数十戸~数百戸の規模になりますので、戸建ての宅地造成よりも大きな事業になります。
利益も大きいため、マンションディベロッパーという、マンション開発事業専門のディベロッパーも存在します。

マンション用地の取得は、規模によっては、宅地造成による戸建て開発よりも狭い土地面積で行われることもあります。
マンションであれば縦に大きなマンションを建築すれば、戸数を増やすことが可能になるからです。
その一方で、マンション開発のほうが戸建て開発よりも巨大な建築物となりますので、用地の取得において近隣とのトラブルも多くなります。
マンション開発のディベロッパーは、周辺住民との話し合いや交渉を行う必要もあります。

また、マンションの建築に関してはゼネコンが大きく関わってきます。
通常は土地の情報を得たところで建築規模を仮定して、複数のゼネコンに見積もりをかけます。
見積もりと、建築予定のマンションを売却した売り上げとを比較したうえで、ゼネコンを決めることになります。
マンションの建築に関しては、ディベロッパーの建築監理部署がゼネコン任せにせず、しっかりと監理していきます。

以上、2回にわたってディベロッパーの仕事について、今回は具体的な事業例3つとともにご紹介しましたがいかがだったでしょうか。
ディベロッパーとは開発事業を取り仕切る、土地開発の先頭に立つ会社です。

多岐にわたる業務のため仕事内容は大変ですが、規模が大きいのでやりがいも大きいと思います。
ディベロッパーの仕事をイメージするのに役立てば幸いです。

Mr.リビンマッチが解説するィベロッパーとは その1

「Mr.リビンマッチ(旧スマイスター)が解説するリビンマッチ(旧スマイスター)・不動産業界転職人材」今回は「ディベロッパーとは その1」です。

不動産業界への転職を考えていらっしゃる方のなかには、ディベロッパーという言葉を聞いたことがある方は多いと思います。
しかし、ディベロッパーと聞いてもどのようなイメージか、具体的にはわからないという方も多いのではないでしょうか。

不動産業であるとは曖昧には分かっていても、”developer”という単語から「開発」に関わるような職種というのは何となく分かるのですが、漠然としている印象を受けることも否めません。
今回は、ディベロッパーとは何なのか詳しくご説明したいと思います。

ディベロッパーとは

ディベロッパーとは英語で開発者の意味ですが、日本では土地や街を開発することを主な業務としている不動産会社のことを指します。
ディベロッパーが行う事業というのは多岐にわたっており、たとえば街の再開発事業やリゾート開発、大型商業ビルの開発に大規模な宅地造成、そしてマンション開発などがあります。
このような開発事業には、ディベロッパー以外にもさまざまな事業者が協力して行いますが、事業を先導していく企業はディベロッパーであることが多くあります。

一方で、大規模な開発事業であれば、ゼネコンが主導していくというイメージがあります。
ではディベロッパーは、ゼネコンとはどう違うのでしょうか。

ゼネコンとは、総合建設会社のことを指します。
簡単に言うと、ゼネコンは不動産を「つくる側」の企業であり、「建築を請け負う」ことが仕事になります。

たとえば、マンションを建築するとしましょう。
マンションを建築するときには、コンクリートを扱う業者や外装をつくる業者、さらに電気工事関係の業者や内装を仕上げる業者など、さまざまな業者が携わっています。
それらを取りまとめるのがゼネコンといわれる総合建設会社なのです。

そのため、ディベロッパーとゼネコンはパートナーのような関係になっています。
まずディベロッパーが土地を購入して、その土地をどのように開発するかを考案します。

そして、その開発内容を実際に設計し、設計内容を実行して建築するのがゼネコンとなります。
基本的な関係性としてはクライアントがディベロッパーであり、下請け会社がゼネコンという構図になります。
しかし、特に大手のゼネコンは、ディベロッパーと共に開発をしていくことも多くあります。
実際、ディベロッパーとゼネコンは共同事業を行い、共に事業者として土地を開発することもあります。

ディベロッパーの仕事内容

では実際にディベロッパーの社員はどういった仕事をしているのでしょうか。
ディベロッパーの社員の仕事内容は実に多岐にわたっています。
そもそもディベロッパー自体がさまざまな事業に関わっているため、社員の仕事も種類がたくさんあります。

まずは用地仕入れと呼ばれる部署です。
用地仕入れとは、文字通り土地を仕込んでくる部署で、マンション用地であったり商業施設の用地などの情報を得てきて、そこに建物を建てて利益を上げられるかを考えます。
ディベロッパーの中ではいわゆる「花形」部署であり、千個のうち三つしか事業化しない「千三つ」といわれるほど難しい部署でもあります。

情報を仕入れてくる元としては、街の不動産会社から商社や信託会社、そして行政など非常に幅広く色々な場所があり、情報源となる法人や個人とコネクションを多く持っています。
良い土地の情報があったときに、真っ先に自分へと連絡をもらえるように情報源との関係性を構築していくことが重要になります。
たとえばマンション用地の情報を得たら、まずそこにどの程度の規模のマンションが建つか仮定します。
仮定のマンションの売値を計算し、販売経費や建築費を加えたうえで、利益が出ると判断したときだけ土地を仕入れる、という流れになります。

次は建築監理という部署です。
建築監理とはゼネコンや設計事務所など、実際につくる建築関連企業とのやり取りする部署になります。
ディベロッパーは実際に建築することはほとんどありませんが、売主として建築物に責任を持つために、監理を徹底的に行います。

そのため建築物の構造や間取り、規模、品質などは詳細までチェックしたうえでゼネコンへ依頼します。
また、建築中も図面通りになっているか、工期に遅れはないかなど徹底的に監理するのも建築監理としての仕事になります。
大手ディベロッパーなどでは、デザインや設計なども建築監理で行うこともあります。
自社の建築監理でデザイン・設計したものをゼネコンに依頼することも少なくなく、その方が自社でブランディングしやすく、管理もしやすくなるからです。

マーケティングを担当する部署は、主に値付け、価格決定を行います。
マンションの住宅事業であれば、マンション価格の値付けをします。
値付けは、過去の膨大なデータや近辺の物件相場、そして不動産の全体の市場状況を加味したうえで行われます。

また、商業施設やオフィスビルの開発などでは、テナントの誘致や賃料などの査定をします。
マーケティング部署が算出する査定額が、その開発の売り上げにつながります。
その売り上げによって事業化するか否かが決定されるのです。

業務と呼ばれる部署もあります。
企業によってさまざまな呼ばれ方をされるようですが、ここでいう「業務」とは不動産に関わる膨大な書類を管理する部署のことです。

不動産事業というのは金額が大きな事業が多いため関連する会社も大変多く、契約に関係する書類の数も膨大な量となります。
たとえばマンションの開発ひとつとっても土地売買契約書に始まり、施工請負契約書、マンション近隣住民との協定書、モデルルームと賃貸契約書、購入者と結ぶ売買契約書など、代表的なものだけでもたくさんあり、細かく挙げると膨大な書類の量となります。
こういったものは、事業的な問題や個人情報保護の問題から、外注することができない書類となります。
そのためディベロッパーは社内には、書類を管理する担当部署が必ずあります。

続いては販売部署です。
ディベロッパーによって販売手法は異なり、販売を自社で行うディベロッパーもありますし、販売は別の会社に依頼するディベロッパーもいます。

大手ディベロッパーでは販売会社を独立させていることが多くありますが、いずれにしろディベロッパーは土地の開発から販売までのすべてにおいて、一貫して責任を持つことになります。

また、不動産の販売の仕事はただ不動産を売るだけではありません。
たとえばマンション開発事業であれば、マンションのセールスポイントの洗い出し、パンフレットなどの作成、広告展開の立案、モデルルーム場所の選定と建築、実際の売却業務、契約と引き渡しに関連する業務などさまざまです。
このような、売るための下準備から、売った後の手続きもディベロッパーの販売部署で行います。

以上がディベロッパーという会社についてと、その仕事内容のご紹介でした。
次回は、ディベロッパーが行っている具体的な事業を例に挙げて、どのような仕事内容かを取り上げていきたいと思いますので、引き続きよろしくお願いします。