ディベロッパーとは その1

不動産業界への転職を考えていらっしゃる方のなかには、ディベロッパーという言葉を聞いたことがある方は多いと思います。
しかし、ディベロッパーと聞いてもどのようなイメージか、具体的にはわからないという方も多いのではないでしょうか。

不動産業であるとは曖昧には分かっていても、”developer”という単語から「開発」に関わるような職種というのは何となく分かるのですが、漠然としている印象を受けることも否めません。
今回は、ディベロッパーとは何なのか詳しくご説明したいと思います。

ディベロッパーとは

ディベロッパーとは英語で開発者の意味ですが、日本では土地や街を開発することを主な業務としている不動産会社のことを指します。
ディベロッパーが行う事業というのは多岐にわたっており、たとえば街の再開発事業やリゾート開発、大型商業ビルの開発に大規模な宅地造成、そしてマンション開発などがあります。
このような開発事業には、ディベロッパー以外にもさまざまな事業者が協力して行いますが、事業を先導していく企業はディベロッパーであることが多くあります。

一方で、大規模な開発事業であれば、ゼネコンが主導していくというイメージがあります。
ではディベロッパーは、ゼネコンとはどう違うのでしょうか。

ゼネコンとは、総合建設会社のことを指します。
簡単に言うと、ゼネコンは不動産を「つくる側」の企業であり、「建築を請け負う」ことが仕事になります。

たとえば、マンションを建築するとしましょう。
マンションを建築するときには、コンクリートを扱う業者や外装をつくる業者、さらに電気工事関係の業者や内装を仕上げる業者など、さまざまな業者が携わっています。
それらを取りまとめるのがゼネコンといわれる総合建設会社なのです。

そのため、ディベロッパーとゼネコンはパートナーのような関係になっています。
まずディベロッパーが土地を購入して、その土地をどのように開発するかを考案します。

そして、その開発内容を実際に設計し、設計内容を実行して建築するのがゼネコンとなります。
基本的な関係性としてはクライアントがディベロッパーであり、下請け会社がゼネコンという構図になります。
しかし、特に大手のゼネコンは、ディベロッパーと共に開発をしていくことも多くあります。
実際、ディベロッパーとゼネコンは共同事業を行い、共に事業者として土地を開発することもあります。

ディベロッパーの仕事内容

では実際にディベロッパーの社員はどういった仕事をしているのでしょうか。
ディベロッパーの社員の仕事内容は実に多岐にわたっています。
そもそもディベロッパー自体がさまざまな事業に関わっているため、社員の仕事も種類がたくさんあります。

まずは用地仕入れと呼ばれる部署です。
用地仕入れとは、文字通り土地を仕込んでくる部署で、マンション用地であったり商業施設の用地などの情報を得てきて、そこに建物を建てて利益を上げられるかを考えます。
ディベロッパーの中ではいわゆる「花形」部署であり、千個のうち三つしか事業化しない「千三つ」といわれるほど難しい部署でもあります。

情報を仕入れてくる元としては、街の不動産会社から商社や信託会社、そして行政など非常に幅広く色々な場所があり、情報源となる法人や個人とコネクションを多く持っています。
良い土地の情報があったときに、真っ先に自分へと連絡をもらえるように情報源との関係性を構築していくことが重要になります。
たとえばマンション用地の情報を得たら、まずそこにどの程度の規模のマンションが建つか仮定します。
仮定のマンションの売値を計算し、販売経費や建築費を加えたうえで、利益が出ると判断したときだけ土地を仕入れる、という流れになります。

次は建築監理という部署です。
建築監理とはゼネコンや設計事務所など、実際につくる建築関連企業とのやり取りする部署になります。
ディベロッパーは実際に建築することはほとんどありませんが、売主として建築物に責任を持つために、監理を徹底的に行います。

そのため建築物の構造や間取り、規模、品質などは詳細までチェックしたうえでゼネコンへ依頼します。
また、建築中も図面通りになっているか、工期に遅れはないかなど徹底的に監理するのも建築監理としての仕事になります。
大手ディベロッパーなどでは、デザインや設計なども建築監理で行うこともあります。
自社の建築監理でデザイン・設計したものをゼネコンに依頼することも少なくなく、その方が自社でブランディングしやすく、管理もしやすくなるからです。

マーケティングを担当する部署は、主に値付け、価格決定を行います。
マンションの住宅事業であれば、マンション価格の値付けをします。
値付けは、過去の膨大なデータや近辺の物件相場、そして不動産の全体の市場状況を加味したうえで行われます。

また、商業施設やオフィスビルの開発などでは、テナントの誘致や賃料などの査定をします。
マーケティング部署が算出する査定額が、その開発の売り上げにつながります。
その売り上げによって事業化するか否かが決定されるのです。

業務と呼ばれる部署もあります。
企業によってさまざまな呼ばれ方をされるようですが、ここでいう「業務」とは不動産に関わる膨大な書類を管理する部署のことです。

不動産事業というのは金額が大きな事業が多いため関連する会社も大変多く、契約に関係する書類の数も膨大な量となります。
たとえばマンションの開発ひとつとっても土地売買契約書に始まり、施工請負契約書、マンション近隣住民との協定書、モデルルームと賃貸契約書、購入者と結ぶ売買契約書など、代表的なものだけでもたくさんあり、細かく挙げると膨大な書類の量となります。
こういったものは、事業的な問題や個人情報保護の問題から、外注することができない書類となります。
そのためディベロッパーは社内には、書類を管理する担当部署が必ずあります。

続いては販売部署です。
ディベロッパーによって販売手法は異なり、販売を自社で行うディベロッパーもありますし、販売は別の会社に依頼するディベロッパーもいます。

大手ディベロッパーでは販売会社を独立させていることが多くありますが、いずれにしろディベロッパーは土地の開発から販売までのすべてにおいて、一貫して責任を持つことになります。

また、不動産の販売の仕事はただ不動産を売るだけではありません。
たとえばマンション開発事業であれば、マンションのセールスポイントの洗い出し、パンフレットなどの作成、広告展開の立案、モデルルーム場所の選定と建築、実際の売却業務、契約と引き渡しに関連する業務などさまざまです。
このような、売るための下準備から、売った後の手続きもディベロッパーの販売部署で行います。

以上がディベロッパーという会社についてと、その仕事内容のご紹介でした。
次回は、ディベロッパーが行っている具体的な事業を例に挙げて、どのような仕事内容かを取り上げていきたいと思いますので、引き続きよろしくお願いします。