Mr.リビンマッチが解説:ディベロッパーとは その2

「Mr.リビンマッチ(旧スマイスター)が解説するリビンマッチ(旧スマイスター)・不動産業界転職人材」今回は「ディベロッパーとは その2」です。

前回では、ディベロッパーという会社についてと、その仕事内容についてご紹介しました。
ディベロッパーとは土地や街を開発することを主な業務としている不動産会社のことをいい、その業務内容は幅広いものとなります。
多くの開発事業はさまざまな事業者と協力して行いますが、事業を主導していく企業がディベロッパーとなります。
また、ディベロッパーは基本的にゼネコンのクライアントとなりますが、大手ゼネコンと組んで共同事業者として土地を開発することもあります。

社員の仕事内容としては用地仕入れから建築監理、マーケティングに業務、販売まで多岐にわたっており、土地の情報収集から購入、建てる不動産の収益性からデザインの立案、建築物の監理と販売、そして売った後の手続きなど、開発事業の最初から最後まで一貫して責任を持ちます。

以上が前回の内容の要約となります。
詳しくはディベロッパーとはその1をご覧ください。

前回はディベロッパーの基本的な業務の流れの説明でしたが、実際の開発事業ではその種類によってさまざまな仕事内容があります。
今回は、ディベロッパーが行っている具体的な事業例を通じて、どのような仕事内容かをご紹介していきたいと思います。

街の再開発事業

街の再開発事業とは、インフラや住宅、商業施設などその街の中心となる建築物を建造することで、新たに街づくりをする事業のことをいいます。

街の再開発をする際には、その街の象徴となる大規模な建物を建てることが多く、たとえば池袋の区役所一体型マンションや、渋谷のヒカリエなどが有名です。
そのようなシンボルとなる大型建築物を中心に、インフラの整備、周辺住宅の開発、そして周辺商業施設の開発を行っていきます。

街の再開発に不可欠なのが、インフラ整備です。
具体的には道路を拡げたり、歩道を整備したり、線路を地下に移動させたりといった、その街の交通の利便性や、景観をアップさせることを目的とした整備を行います。

たとえば、京王線は調布駅あたりで地下化する工事が行われ、調布駅を含むいくつかの駅が新しくされています。
また虎ノ門開発を例にとると、まずシンボルの「虎ノ門ヒルズ」ができあがり、そこに続く環状二号線が新橋から開通されて、豊洲市場までつながっていきます。

ただ、インフラ整備は道路や線路など「国土」にかかわってくる開発であり、そのため当初の計画とは変更になったり中止になったりする場合もあります。

インフラ整備に関しては、道路や公共施設などが関係してくることになり、大きな再開発については国が主導する公的ディベロッパーが中心になることが多くなります。
民間のディベロッパーは、国の公的ディベロッパーの下で協力会社として参加するパターンが多く、公的ディベロッパーの指導のもと、ゼネコンと共に建築監理をすることになります。

街の再開発事業においては、インフラ整備と同時に周辺住宅の新築工事をすることも少なくありません。
湾岸エリアの豊洲では「ららぽーと豊洲」という大型商業施設を中心に、ディベロッパーがその周辺において新築分譲マンションの開発を進めていきました。

こういった街の再開発に伴う住宅開発は、一般の住宅開発よりも難易度が高く、大変なものとなります。
なにしろ開発規模が大きいため、確保する必要のある土地も広大になってしまいます。
そのため、当該の広い地域の住民に「建て替え」をすすめるという仕事が必要となります。

昔は「地上げ」を行って強引に住民を追い出した事実もあり、良くないイメージを持たれていました。
しかし現在では、「大規模マンションを新しく建て替えるにあたって、そのマンションの1室を譲りますから、この土地を売却してほしい」という交渉が多いようです。

ただ、住民の数はあまりにも多くなりますので、再開発に必要な土地の確保には数年がかりとなることも多々あります。
しかしこういった問題も、「区画整理」という行政が関わる事業だと話は変わります。
区画整理であれば、行政が開発することを計画した事業ですので、住んでいる人も区画整理が始まれば立ち退くという約束のもと、居住しています。
ですから民間のディベロッパーが個々の土地を確保していくような苦労は無くなります。

前述の「ららぽーと」や「虎ノ門ヒルズ」など、街の再開発を行うにあたっては大型商業施設を建設することも少なくありません。
ここでも大規模な土地が必要となりますから、周辺住宅の開発をするときと同様の苦労があります。

ただ、住宅を立ち退いてもらって商業施設を建てる場合には、交渉術として「建物の1室を譲ります」というわけにはいきません。
そのため、近くのマンションを購入して譲るなどといった、代わりの対応が必要となりますが、場所が変わることもあり、周辺の住宅開発における交渉よりも時間がかかる場合が多いようです。

街の再開発事業は大規模となりますので民間ディベロッパーだけで行うのは不可能であり、かといって公的ディベロッパーではノウハウ不足という点があります。
そのため公的ディベロッパーと民間ディベロッパーが協力して街の再開発事業にあたることが多くあります。

大規模な宅地造成

次の事例は大規模宅地造成です。
大規模な宅地造成とは簡単に言うと戸建ての街をつくることで、10棟以上の規模といったような、大きさの基準を定めているディベロッパーが多いようです。

大規模とはいえ、街の再開発事業ほどではなく、基本的には商業施設跡や大地主が所有していた土地を造成することが多くなります。
宅地造成とは、宅地の土地そのものをイチからつくります。
たとえば盛り土をすることで段差をなくしたり、逆に切土をすることで平らにします。

宅地造成が終わると戸建てを建築することになりますが、大規模な造成宅地には見本としてのモデルハウスを数棟まずは建てて、ほかの住戸を「建築条件付き住宅」とします。
建築条件付き住宅とは、売主のディベロッパーが施工会社を指定して土地を販売するものです。
こうすれば、購入者は施工会社以外の設備や仕様を選択することができ、ディベロッパーにも利益が回る仕組みになるからです。

販売に関しては、モデルハウスを使用します。
モデルハウスを案内して、見学客に室内のイメージをしてもらい、図面の説明などの営業で最終的な契約をしてもらう流れとなります。
ディベロッパーには販売部署があるところもあれば、販売部門は別会社に依頼するところもあります。
しかし、いずれにしろディベロッパーは土地の開発から販売まで一貫して責任を持つことになります。

マンション開発事業

最後の事例として、マンション開発事業を取り上げます。
マンション開発事業とは、簡単にいえばマンション1棟を建築し販売することです。
マンションの場合は数十戸~数百戸の規模になりますので、戸建ての宅地造成よりも大きな事業になります。
利益も大きいため、マンションディベロッパーという、マンション開発事業専門のディベロッパーも存在します。

マンション用地の取得は、規模によっては、宅地造成による戸建て開発よりも狭い土地面積で行われることもあります。
マンションであれば縦に大きなマンションを建築すれば、戸数を増やすことが可能になるからです。
その一方で、マンション開発のほうが戸建て開発よりも巨大な建築物となりますので、用地の取得において近隣とのトラブルも多くなります。
マンション開発のディベロッパーは、周辺住民との話し合いや交渉を行う必要もあります。

また、マンションの建築に関してはゼネコンが大きく関わってきます。
通常は土地の情報を得たところで建築規模を仮定して、複数のゼネコンに見積もりをかけます。
見積もりと、建築予定のマンションを売却した売り上げとを比較したうえで、ゼネコンを決めることになります。
マンションの建築に関しては、ディベロッパーの建築監理部署がゼネコン任せにせず、しっかりと監理していきます。

以上、2回にわたってディベロッパーの仕事について、今回は具体的な事業例3つとともにご紹介しましたがいかがだったでしょうか。
ディベロッパーとは開発事業を取り仕切る、土地開発の先頭に立つ会社です。

多岐にわたる業務のため仕事内容は大変ですが、規模が大きいのでやりがいも大きいと思います。
ディベロッパーの仕事をイメージするのに役立てば幸いです。